中国の大都市、それぞれの顔 ― 北京・上海・天津・重慶・西安、そして成都

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中国は日本の約25倍の国土を持つ大国です。そのため、同じ中国の都市でも、場所が違えば気候も文化も大きく変わります。

今回紹介する北京・天津は北部、上海は東部、成都と重慶は西南部に位置しています。特に成都と重慶は高速鉄道で約1時間半、北京と天津は約30分という近さですが、街の雰囲気はそれぞれまったく異なります。

まずは地図を思い浮かべながら、中国を代表する5都市の魅力を見ていきましょう。

北京

まずは東京から飛行機で約4時間。中国の首都・北京は、冬になると四季の中で最も魅力的な季節を迎えます。

1月の北京は氷点下になる日も珍しくなく、防寒対策は必須。ブーツやロングダウン、耳まで覆える帽子、マフラーなどを準備しておくと安心。

冬の北京といえば、まず訪れたいのが什刹海のスケートリンク。凍った湖の上でスケートを楽しむ人々の姿は、この季節ならではの風景です。また、北戴河などでは寒中水泳を楽しむ地元の人たちを見ることもできます。

旧正月が近づくと、市内では廟会(びょうえ)が開かれ、お祭りムード一色に。屋台を巡りながら、冬の名物・糖葫芦(タンフル)を味わうのもおすすめです。冷えた体を温めるなら、北京名物の銅鍋涮肉(羊肉しゃぶしゃぶ)や門釘肉餅をぜひ試してみてください。

観光では、漢服を着て故宮で写真撮影を楽しんだり、ユニバーサル・スタジオ北京を訪れたりするのも人気です。さらに郊外には桃源仙谷のアイスフォールや龍慶峡の氷祭りなど、幻想的な氷雪スポットも点在しています。

厳しい寒さの中にこそ、美しい景色や伝統文化が息づく北京の冬。いつもとは少し違う中国を体験したいなら、冬の北京はぴったりの旅行先。


『聴く中国語』北京特集回

『聴く中国語』2023年12月号2024年11月号


上海

東京から飛行機で約3時間。北京からは飛行機で約2時間半、高速鉄道でも約4時間半〜6時間ほどでアクセスできる中国を代表する国際都市・上海。

上海には、近代中国の発展の歴史を感じられるスポットが数多く残っています。黄河路や南京東路は、1990年代以降の急速な経済成長を象徴するエリアとして知られ、現在も多くの観光客でにぎわっています。

黄河路周辺には、1934年に建てられ「東洋一の摩天楼」と呼ばれた上海国際飯店や、1851年創業の老舗菓子店・杏花楼など、歴史ある名所が点在しており、また、南京東路を東へ進むと外灘にたどり着き、黄浦江沿いに並ぶ美しい歴史的建築群や上海を代表する景観を楽しむことができます。

外灘にある和平飯店や外灘27号は、かつて上海がアジア有数の国際都市として発展した時代を今に伝える象徴的な建物です。クラシカルな洋風建築が並ぶ街並みは、上海ならではの魅力。

一方で、進賢路や雲南南路周辺には昔ながらの上海の風情が残っており、老舗レストランや庶民的なグルメを楽しむことができ、焼き小籠包やスペアリブ料理、伝統的な朝食メニューなど、上海ならではの豊かな食文化も見逃せません。

歴史的建築、美しい街並み、そして多彩なグルメ。上海は、近代中国の歩みと現在の活気を同時に感じられる魅力あふれる都市です。


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『聴く中国語』2024年5月号


西安

日本から飛行機で約6時間半。北京からは飛行機で約2時間、高速鉄道なら約4時間でアクセスできる西安。

中国四大古都の一つである西安は、秦や漢、隋、唐など13の王朝が都を置いた歴史都市です。かつて「長安」と呼ばれたこの街は、シルクロードの起点として栄え、中国と世界を結ぶ国際都市として発展しました。

西安最大の魅力は、街全体に息づく壮大な歴史です。秦の始皇帝陵や大雁塔、明代の城壁、大明宮遺跡など、各時代を代表する歴史遺産が数多く残されており、中国史の壮大なスケールを肌で感じながら散策することができます。また、李白や杜甫、玄奘三蔵法師など歴史上の人物ゆかりの地も多く、まるで歴史の舞台を歩いているような気分を味わえます。

一方で、西安は古都でありながら現代都市としても発展を続けています。古代の都市区画が今なお残り、歴史的建築と近代的な街並みが自然に共存しているのも大きな特徴です。長い歴史が人々の日常生活の中に溶け込んでおり、街を歩くだけでも独特の魅力を感じることができます。

さらに、西安はグルメの街としても知られています。肉挟饃、涼皮、ビャンビャン麺、羊肉泡饃など、陝西省を代表する名物料理が数多くそろっています。小麦文化が育んだ素朴で力強い味わいは、多くの旅行者を魅了しています。

悠久の歴史と現代の活気が共存する西安。中国の歴史や文化を深く知りたい人にとって、ぜひ訪れてみたい魅力あふれる古都です。


【聴く中国語】西安特集回

『聴く中国語』2023年4月号



成都

東京から飛行機で約6時間、北京から飛行機で約3時間。中国西南部に位置する四川省の省都・成都は、3000年以上の歴史を持つ古都。

近年はアニメ映画『哪吒之魔童鬧海(ナタ 魔童の大暴れ)』のヒットにより、作中に登場する四川方言や三星堆文化をモチーフにしたキャラクターが話題となり、四川への関心も高まっています。

成都は古くから「天府の国」と呼ばれ、豊かな農業と文化によって栄えてきました。三国時代には蜀漢の都が置かれ、唐代には詩人の杜甫が暮らしたことでも知られており、現在も歴史と現代文化が共存する魅力的な都市です。

成都といえば四川料理も外せません。麻婆豆腐や火鍋をはじめ、「担担面」や「龍抄手」などの名物グルメが数多くあります。一方で、「鶏豆花」や「開水白菜」のような、辛くない繊細な料理も楽しめます。

また、成都はパンダのふるさととしても有名です。成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地では、愛らしいジャイアントパンダを間近で観察することができます。

市内には賑やかな春熙路や太古里、風情ある寛窄巷子などの人気スポットがあり、周辺には 都江堰 や九寨溝といった世界的な観光名所もあります。

歴史、グルメ、パンダ、そして豊かな自然。成中国西南部を代表する魅力あふれる都市、それが成都。

重慶

東京から飛行機で約4時間半、北京から約3時間。中国南西部に位置する重慶は、中国四大直轄市の一つであり、「山城(さんじょう)」の愛称で親しまれる大都市。

先秦時代には都が置かれ、近代には中国内陸部で最も早く開港した通商港となるなど、長い歴史を持っています。また、日中戦争期には中華民国の戦時首都として重要な役割を果たしました。

近年の重慶は、SNSで話題の観光都市としても注目を集めています。なかでも人気なのが「洪崖洞」です。嘉陵江沿いの崖地に建つ伝統的な吊脚楼建築が特徴で、夜になると幻想的にライトアップされます。その姿は、まるで映画『千と千尋の神隠し』に登場する「油屋」のようだと評判で、多くの観光客が訪れています。

重慶ならではの景観を楽しみたいなら、李子壩駅も外せません。ここではモノレールが高層住宅を貫通して走る珍しい光景を見ることができます。また、長江ロープウェイに乗れば、長江を渡りながら山城ならではの立体的な街並みを一望できます。夕暮れ時には、川面に映る夕日と街の灯りが織りなす美しい風景が広がります。

さらに、山城巷や十八梯、白象居などには昔ながらの重慶の街並みが残り、散策しながら歴史と文化を感じることができます。夜には観音橋グルメストリートなどの夜市も賑わいを見せ、名物の重慶火鍋や小吃(軽食)を楽しむことができます。独特の地形が生み出した景観と活気あふれる街の雰囲気は、重慶ならではの大きな魅力といえるでしょう。


【聴く中国語】成都&重慶特集回

『聴く中国語』2025年8月号


天津

天津は北京から高速鉄道でわずか16分、東京からも飛行機で約4時間というアクセスの良さを誇る大都市。

しかし、その魅力は便利さだけではありません。天津は「中国の大阪」とも呼ばれ、ユーモアにあふれた人々と独特の食文化で知られています。

街を歩けば、思わず笑ってしまうような道路標識や看板に出会えます。また、中国伝統の話芸である「相声(そうしょう)」の発祥地の一つでもあり、人々は会話の中にも自然と笑いを織り交ぜます。天津の人々は明るくおしゃべり好きで、初対面でも気さくに話しかけてくれるため、旅人もすぐに街になじめるでしょう。

食文化も天津の大きな魅力です。朝食の定番である煎餅果子や嘎巴菜、伝統菓子の麻花、名物の狗不理包子など、庶民的で親しみやすいグルメが数多くあります。特に麻花は、小麦粉の生地をねじって揚げた天津を代表するお菓子で、お土産としても人気。

また、海河沿いに広がる夜景も見逃せません。ライトアップされた橋や近代的な高層ビルが水面に映り込み、「天津アイ」と呼ばれる巨大観覧車とともに幻想的な景色を作り出しています。

さらに天津には、19世紀から20世紀初頭にかけて形成された租界時代の建築が数多く残っており、五大道地区には西洋風の洋館が立ち並び、中国にいながらヨーロッパの街並みを散策しているような気分を味わえます。

歴史、グルメ、異国情緒、そして人々の温かな人柄。中国の中でも特に「暮らしを楽しむ」空気が感じられる魅力的な都市、それが天津。


【聴く中国語】天津特集回

『聴く中国語』2026年6月号


まとめ

中国は14億人を超える人口を抱え、広大な国土の中にそれぞれ異なる歴史や文化、食習慣、気質を持つ都市が数多く存在しています。

同じ中国でも、訪れる都市が変わればまったく違う国に来たかのような発見があり、何度訪れても飽きることがありません。

本当はまだまだご紹介したい魅力がたくさんありますが、今回はこのあたりで一区切りとしましょう!

なお、今回ご紹介した北京・上海・西安・天津・成都・重慶については、『聴く中国語』でさらに詳しく特集しています。

歴史や文化、観光スポット、グルメ情報までより深く知りたい方は、ぜひ【聴く中国語】中国大接近の誌面もご覧ください!



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