うっちーの中国語四方山話㉙ 私は毎日散歩する-日本語の干渉(1)

中国語学習

私は毎日散歩する?

中国語語学誌『聴く中国語』では日中異文化理解をテーマにしたコラムを連載しています。

今回は日本中国語検定協会理事長の内田慶市先生が執筆されたコラム、うっちーの中国語四方山話㉘ 私は毎日散歩する-日本語の干渉(1) をご紹介します。

今回はまず、世界の言語の「系統」について少し見ていきましょう。

日本語と中国語では、属する言葉の系統が異なります。中国語は一般にシナ・チベット語族に分類されます。一方、日本語は日本語族に属するとされますが、その系統については現在も議論があります。

一方、言語の「語順」には大きな違いがあります。日本語は「主語+目的語+動詞」、中国語は「主語+動詞+目的語」が基本です。

例えば、日本語の「ご飯を食べる」「テレビを見る」は、中国語では “吃饭”“看电视” となりますね。

さらに、世界の言語は大きく孤立語・屈折語・膠着語の3つに分類することもできます。

中国語は代表的な孤立語、日本語は膠着語です。孤立語では語順が重要で、膠着語では「は」「を」「に」などの助詞によって、文中での役割を示します。

例えば、

日本語なら「私は」「彼を」のように助詞があるため、語順を変えても意味を保てます。しかし中国語では、“我”と“他”の位置を変えると意味まで変わります。

つまり、中国語では語順がとても重要なのです。

もちろん、中国語にも “了”“着”“过” などの時態助詞や、“呢”“吗”“吧” などの語気助詞があります。

また、「们」は複数を表すように見えますが、英語の“-s”とは少し違います。「学生たち」は “学生们” と言えますが、“三个学生们”とは言いません。

このように、言語は「孤立語」「屈折語」「膠着語」と完全に分けられるわけではなく、現在ではそれぞれの特徴が融合しているものもあります。その代表が英語です。

I sing. / I sang. / I have sung.

のように形態変化がある一方、

I will sing.

のように未来を助動詞で表します。これは中国語の “我要唱(歌)” とちょっと似ていますね。

さて、ここまで来て、いよいよ今回のタイトルに戻りたいところですが……続きは次回。

それまでに、ぜひ一つ考えておいてください。

「私は毎日公園を散歩する」

これ、中国語ではどう言うでしょう?

日本語の感覚のまま訳すと……ちょっと困ったことになるかもしれません。

内田 慶市(うちだ けいいち)/1951 年福井県生まれ。博士(文学)・博士(文化交渉学)。専攻は中国語学、文化交渉学。福井大学教育学部助教授、関西大学文学部・外国語学部教授、大学院東アジア文化研究科教授を歴任。2021年関西大学外国語学部特別契約教授定年退職。東アジア文化交渉学会常任副会長( 2009 年~)、中国語教育学会理事( 2016年3月~2020年2月)、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター長( 2017年4月~)、日本中国語検定協会理事長(2020年6月~)。主著に『近代における東西言語文化接触の研究』(関西大学出版部、2001)、『文化交渉学と言語接触─中国言語学における周縁からのアプローチ』(関西大学出版部、2010)、『漢訳イソップ集』(ユニウス、2014)などがある。

今回紹介したコラムは『聴く中国語』2026年8月号に掲載しております。

本誌には内田先生のコラムを読むことが出来ます。興味のある方はぜひこちらをチェックしてみてください。

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