インタビュー! 横浜山手中華学校 校長 張岩松先生

世界華文教育を牽引し中華伝統文化を未来に引き継ぐーーーー

 北京語言大学に進学し、対外漢語教育を選択しました。そこで基礎的な専門的な知識を身に着けその流れで国際中国語教育野の道へと進むことになりました。

大学卒業後に国務院務弁公室・北京華文学院に務め華僑・華人たちに教鞭をとっていたところ、国からの派遣で2000年に山手中華学校の中国語講師を務めることになり、来日しました。

小さい頃から数学が大好きで、中高の六年間はみんなの家庭教師のような存在でした。
ある時、同級生の女の子に数学の問題を教えたところ、解けた瞬間に大喜びで躍りだしました。
その時にふと、これが人に勉強を教えることなのではと思いました。

自分が誰かに何かを教え、その人が喜び自分自身も嬉しくなるー

その感覚を初めてはっきりと実感した瞬間でした。

以来、教師になりたいとつよく思うようになりました。

高校時代、英語を専攻していたので、中国語と英語どちらにも興味がありました。
調べてみると対外漢語教育という両言語を学び教師になれる大学があると知り、進学したのがきっかけです。

これまでの歩みは、自身が編纂した『横浜山手中華学校(百年)校史 1898-2004』に強く関わっています。

この学校内の倉庫のような場所に大量の古い写真が手つかずのままおいてあり、今まで学んだ歴史そのものが本校と深く関わっている事が分かりました。

著名人の写真が次々に目に飛び込んできて、これが誰にも見られずに放置されているのがもったいなく感じられました。

そこでこれらの資料を整理し、創立100年記念のアルバムとしてまとめ、それを配布したところ、華僑の方や卒業生がとても感動してくれたのです。

そしてある時、中国社会科学院近代史研究所の所長らを学校にお迎えした際に、所長は本校の歴史に強く関心を寄せてくださっていました。
資料を見せると、きちんと掘り下げ、編纂すれば大きな価値になるとおっしゃられました。
当時の手つかずの膨大な資料があることを知っていたものの歴史の専門家ではない私、そして学校に予算がないことも正直に伝えたところ、同行されていた日中友好館の理事長が支援を申し出てくださったことで、着手することができました。

いざ編纂をはじめてみると、全くと言っていいほど書けませんでした。

歴史を書くということは、出来事の羅列をするわけではありません。全体の流れ、歴史の脈略を明確に示すことが大事です。

校長に相談したところ、1年をかけて卒業生、華僑、元教員などのインタビューの段取りをとってくださいました。

校史を編纂していく中で、本校がいかに偉大な存在であるかを改めて実感しました。
それは横浜華僑の何世代にも渡った血と涙の歴史であり、奮闘の記録だったためです。

だからこそ華僑の思いと声を反映した校史をぜひとも書きたいと考えました。

校史の編纂を終え2005年に任期が終了したため私は帰国することになりました。
帰国当時、私は29歳で北京華文学院・華文教育処の副処長に就きました。華文教育全般を担当し32歳で異例の正処級への昇任の話が出た際に辞職を決意しました。

ずっと横浜の華僑の方々から戻ってきてほしいと言われ続けていたからです。

校長からも一番学校のことをよく知っているのはキミなんだから人々を団結させもっと大きな役割を果たせるはずだと。私はそうして辞職しました。

校長になったのは12年ほど前で、一般教員、副校長と歴任し、現在に至ります。

本校は3つの世紀にまたがり時代をくぐり抜けてきた学校です。清朝の工程による揮毫があり、中華民国の臨時大統領であった孫文の題字があり、さらには中華人民共和国の江沢民氏の題字も残されています。

120年以上の歴史を持つ中で天災や戦争などの困難をくぐり抜けてきました。

2度の校舎の倒壊などもありましたが、有钱出钱,有力出力の合言葉のもと学校は再建されました。


本校の教育理念は「中国の心、世界の眼」です。
日本にいる日本人や中国にいる中国人とは異なる第三の視点を持つ、すなわち華僑の立場から日中関係や世界を見つめることです。これは非常に独特で、かつ重要な立ち位置でいると思います。

本校では3つの立ち位置「日本社会、中国社会、華僑社会」を理解し体験することを幼い頃から重要としています。日本では各種調査活動や社会活動、校外学習を行います。中国にもつれていき、現地の同年代の子どもたちや大学生と交流します。

華僑社会の活動の一環として、中華街での獅子舞やパレードなども学校が主体となり実施しています。

また日本国内の様々な学校とも交流を行っています。

これらにより多文化教育などを専攻している学生たちが本校を訪れています。大学関係者からの本校の多文化教育に関する特色についての評価をいただいています。

幼い頃から多面的な視点で物事を理解し、対話する能力を身に着けていたとしたら、今後の社会の発展に置いて間違いなく必要とされる力だと思っています。

最も大切なのは学校がどのようにして学生一人ひとりに良い人生をもたらせるかだと思います。
社会の流れを的確に捉え、社会の発展にふさわしい人材を育てることが目的だからです。
これからの社会では、人文的な配慮や共感力を持った人間が重宝されます。
自然に向き合い対話できることそれが私たちが取り組む多文化理解教育なのです。

横浜山手中華学校 校長・張岩松先生

今回のインタビューの詳細や日中対訳は月刊中国語学習誌『聴く中国語』2026年3月号に掲載されています。さらに詳しくチェックしてみたい方は、ぜひご覧ください。

📹️弊社公式YouTubeでも動画を公開中!ぜひご覧ください。

横浜山手中華学校校長・張岩松先生 独占インタビュー

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