『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第21回「中国のハワイ「三亜」旅行記」。

日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。
中国最南端の省・海南省の最南端、中国のハワイと言われる三亜市に4泊5日の旅行へ行ってきた。三亜市は北緯18度9分から37分とハワイとほぼ同緯度に位置する海南省第二の都市である。年間通して20度を超える熱帯の気候と美しいビーチで人気の中国のリゾート地だ。
実は三亜市は以前SNSで目にして以来、どうしても行きたかった場所なので、日頃から友達に三亜をアピールし、今回念願の三亜市への旅行が決まった。私たちは混雑を避け、労働節の連休後に向かうことにした。

三亜市は大きく三亜湾、大東海、亜龍湾、海棠湾の4つのエリアに分けられている。今回私たちは亜龍湾のエリアに宿泊をした。このエリアは市街地から少し離れているが、海が綺麗なリゾート地として有名。今回私たちが宿泊したホテルもバスで一駅のところにビーチがあった。ゆったりとリゾート気分を味わうにはもってこいの場所だった。




出発する日は悪天候の影響で飛行機が夜10時に上海を発ち、三亜に着いたのは深夜1時半頃だった。そこからタクシーに乗り、ホテルに到着したのは深夜2時過ぎとなった。

二日目の朝。朝ご飯を済ませて、まず「西島」へ向った。ホテルから船乗り場までタクシーで向かい、入り口で往復チケットを購入した。当初はネットで購入するつもりだったが、外国籍はネットでの購入ができず窓口まで行って買う必要があった。船に15分ほど揺られ西島に到着。下船して海の水を見ると透明度が高く、魚が泳いでいるのも目視できた。島ではたくさんのマリンスポーツが用意されていた。私たちはマリンスポーツには参加しなかったが、海に入るつもりだったので水着は持って来ていた。しかし、遊泳区域が想像以上に狭く、人も多かったので海に入らずビーチを散歩したり海に脚だけ入れたりして遊んだ。島をぶらぶら散歩しながらゆったり過ごし、海上書房などの観光スポットを巡った。そしてお昼には名物の糟粕醋海鮮火鍋をいただいた。酒粕ベースの酸っぱ辛いスープが非常に美味しく、友達も私もすっかりハマってしまい三日目にも別のお店で同じものを食べた。(上海に戻ってきた後もまた食べたくなってしまったので、お店を探したくらい美味しかった。)

ご飯を食べた後は西島を後にして、夕日スポットで有名な「椰夢長廊」へ向かった。日の入りまでビーチでまったりしようかと思っていたが、三亜の想像以上の蒸し暑さに頭がくらくらし始め、近くの「三亜康年」ホテルのプールに入ることにした。インフィニティープールが非常に素晴らしく、景色が最高なスポットだった。プールの心地よさに結局私も友達もプールから出る気になれず、三時間滞在することとなった。夕日も三亜康年ホテルのプールから見た。これもまた非常に綺麗な景色だった。天気がもっと晴れればきっともっと綺麗な景色を眺めただろう。

日も沈んたあと、タクシーに乗って一番近くの夜市「億恒夜市」へ向かった。夜市は人で賑わっていてサウナのような暑さだった。そこで服を買ったり、スプレータトゥーをして楽しんだ。食べ物は第一市場の方が美味しいとタクシーの運転手から聞いていたので、何も食べずに帰った。

三日目は天気が良かったので、ホテルのプールで一時間ほど遊んでビーチへ向かった。バナナボートや水上バイクをやって楽しみ、あとは遊泳区域で遊んだ。思っていたよりも波が高く、とても楽しかった。一通り遊んでホテルの部屋に戻ろうと思っていたところ、またプールが目に入ってしまい、再びプールに入って遊ぶことにした。時計を見ると夕方の5時になっていて、朝ご飯を食べてからはしゃぎすぎて昼食を食べ忘れたことに気がついた。慌てて支度をして夕食へと向かうことにした。「百花谷商業中心」を一通り周り、結局前日に食べた糟粕醋海鮮火鍋が忘れられずまた食べてしまった。

四日目は、元々SUP(サップ:サーフボードの上に立ちパドルで漕ぎながら進むアクティビティ)を体験するつもりだったが、雨が降り始めたため急遽予定を変更し、「海旅免税店」を見て回った。その後は旅の疲れを癒すためにスパへ行った。オイルスパで疲れを癒し、ゆったり過ごしていたら夜になり、外の雨も止んでいたので、「第一市場」へ行くことにした。ここで値切り交渉がクセになってしまい、私も友達も想像以上に服を買いこんだ。第一市場の中の服装城ではしっかり試着ができるので、露店で買うよりもおすすめだ。半額くらいは値切ることも可能だ。友達とお揃いでタイパンツのようなズボンを買い、2人でパジャマにしている。

五日目は非常に強い雨が降っていたため、当初「南山」に行くつもりの予定を変更して「三亜国際免税城」へと向かった。このショッピングモールは延べ床面積が29万㎡に及ぶ巨大なショッピングモールだ。余りの大きさに一瞬頭がこんがらがってしまった。一通り見て周った後空港へと向かい、三亜を後にした。

今回の旅は、混雑時を避けたため人も多くなく、ゆったり過ごすことができ非常に満足した。ただ後半は天気に恵まれず当初予定していた場所に行けなかったのが少し心残りだが、また機会があれば絶対に行きたい、バケーション気分を味わうのにもってこいの場所だった。。
本コラムは『聴く中国語』2024年9月号に掲載しております。

コメント