公園・カフェ・散歩 私の好きな上海

中国留学記
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コラムニスト 水上華
日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。

 ルームメイトと「天気の良い日に、テラス席のあるお店でランチをしよう」と話していた。せっかくなので、ランチだけではなく、その日は1日かけてcity walkを楽しむことにした。

泰廊餐厅

 最初の目的地は静安公园にある「泰廊餐厅」。静安寺駅2番出口から徒歩5分ほど、緑に囲まれた公園の中に佇む人気レストランだ。到着したときにはすでにテラス席が賑わっていたが、運よく席が空き、迷わずテラス席へ。木々の間から差し込む陽の光、爽やかな風、そしてテーブルに並んだ料理。どれを口にしても美味しく感じられた。友人と他愛もない話をしながら食事をしていると、時間がゆっくりと流れていくように思えた。上海の中心にいながら、まるでタイのリゾートに来たかのような贅沢なひとときだった。

静安公园

 食後は公園を散歩した。ベンチで静かに過ごす人もいれば、集まってダンスをしたり、楽器を演奏したり、歌を歌ったりする人も多い。特にこの日も、おじいちゃんおばあちゃんのグループが音楽に合わせて楽しそうに踊っていた。少し離れた場所では二胡を奏でるおじいちゃんがいたかと思えば、また別の場所では合唱の輪ができていた。日本の公園ではなかなか見られない光景で、眺めているだけでこちらまでハッピーな気持ちになった。こうした風景は、私が上海で大好きなもののひとつだ。

Polly 波丽咖啡

 次に向かったのは、以前から気になっていたカフェ「Polly 波丽咖啡」。店内で映画を上映しているユニークな場所だ。落ち着いた照明の中、静かな音楽が流れ、パソコンで作業する人や映画に夢中になる人、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。印象的だったのは、犬連れのお客さんが多かったこと。足元で丸くなって眠る小型犬、しっぽを振りながら店内を歩き回る子犬。犬たちのおかげで店内の空気が柔らかくなり、不思議と居心地のいい空間になっていた。コーヒーを飲みながら映画を眺め、犬の姿に癒される時間は格別だ。

南京西路

 夕方には南京西路へ。お目当てはスターバックス前にあるルイ・ヴィトンの船型の建物だ。完成当初からネットで話題になっていて、ずっと気になっていたものだ。街中に突如現れた豪華客船のような建物は、ブランドの世界観をそのまま形にしたような華やかさと遊び心にあふれ、思わず写真を撮りたくなる。周りにも同じようにカメラを構える人たちがたくさんいて、私たちもしっかり「打卡」させていただいた。

CAS BAR

 夜は「CAS BAR」へ。外から見て「なんだか可愛いな」と思っていた店で、ずっと気になっていた。中に入ると、昼間の印象とは一変。落ち着いた照明と静かな音楽に包まれ、しっとりとした雰囲気だった。昼の上海と夜の上海――同じ街なのにまるで違う表情を見せてくれるところが、この都市の魅力だと思う。

こうして一日を振り返ると、特別な観光をしたわけではないのに、とても満たされた気持ちになる。上海の魅力は、きらびやかな高層ビルや有名な観光地だけではない。公園でお年寄りが踊る姿や、映画を楽しむカフェ、遊び心ある建物や小さなバー。――日常に散りばめられた小さな発見こそが、この街を特別なものにしているのだと思う。

本コラムは『聴く中国語』2025年11月号に掲載しております。

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