皆さま、こんにちは!『聴く中国語』編集部のNです。いつも『聴く中国語』ならびに弊社ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。私は先日(2024年11月24日から11月30日まで)、日本大学生訪中団に参加し、中国の北京、桂林、広州の三か所を訪問させて頂きました。今回は、この1週間の訪中の思い出をシェアさせていただきます。一緒に中国を旅行するような気持ちで、気軽に読んでいただけましたら幸いです。
日中大学生訪中団について
私が今回参加したのは、外務省が推進する「JENESYS2024」の一環として、日中友好会館が派遣する「日本大学生訪中団第2陣」です。団員構成は団長1名、日本の大学生・大学院生92名、事務局6名の合計99名でした。
参考:日中友好会館HP
Day1~3 北京
羽田空港から北京の北京大興空港までは、4時間のフライトの予定でしたが、この日は予定より50分ほど早く到着しました。北京についたのは18時過ぎ(現地時間)で、荷物を受け取ってから空港から出ると、外は暗く、冷たい風が吹いていました。100人近くの訪中団だったので、私たちは3つのバスに分かれて乗り、空港からホテルに向かいました。
1日目はホテルにチェックインして一日が終わり、翌日から本格的に活動が始まりました。最初に訪れたのは、万里の長城!万里の長城は北京の郊外に位置しています。ホテルからバスに乗り、北京の街並みを見ながらしばらく揺られていると、だんだん山間の風景になってきました。しばらくして、ガイドさんのアナウンスで山の方に目を向けると、山肌に沿うようにしてそびえる建築物が――。
今回私たちが訪れたのは居庸関という万里の長城に設けられた関所兼要塞。現在は史跡として整備され、観光客に開放されています。
山間ということもあり、真冬の格好をしてきたにも関わらず、バスを出た時はかなり寒く感じました。しかし、実際に登り始めてみると…身体はどんどん温まり、やがて少し暑さを感じるようになって、最後には身に付けていたネックウォーマーや手袋を外し、ダウンジャケットも脱いでしまいました。
坂の傾斜が急なところや、階段の段差がまばらなところが多々あり、手すりをしっかり掴みながら登る必要がありました。一番上まで行こうと勢い盛んに登り始めましたが、途中体力の限界を感じ、バスの集合時間も迫っていたため、途中で断念して下山しました。団員のなかには頂上まで登った人もいました。すごい!!(私はこの後数日間、長城登りの筋肉痛に苦しめられました泣)
万里の長城を見学した後、再び市内に戻り、昼食は北京涮羊肉(北京式しゃぶしゃぶ)で有名な東来順へ。汗を流した後のお肉は最高に美味しかったです!
お肉はラム肉。とっても薄くて、しゃぶしゃぶするとお湯の中に溶けだしてしまうくらい脂がのっていて、柔らかかったです。ラム肉は独特の香りがあり、中にはあまり食べ慣れないような様子のメンバーもいましたが、私はとても美味しく頂きました!(北京の人は火鍋を食べる際にお肉を“芝麻酱”につけて頂くそうです。まろやかな味わいが絶品でした。)
昼食後は、北京第二外国語大学を訪問しました。バスを降りると、日本語学部の学生たちが出迎えてくれ、初めに大教室で今回の交流の開幕式を行った後、いくつかの小グループに分かれてキャンパスを案内してもらい、それから教室で学生交流を行いました。
北京第二外国語大学は中国の大学では小さいほうと聞きましたが、キャンパスの中には学生寮や食堂、教職員の宿舎もあり、まるで一つの大きな町のように感じました。日本の大学のキャンパスとは異なる雰囲気に、校内を散策するだけでとてもワクワクしました。
夜は、北京市街へ遊びに行きました。せっかくだから北京の地下鉄に乗ってみようと思い、地下鉄の駅を目指しましたが、地図アプリが上手く機能せずさっそく迷子に。通りすがりの青年に「这附近有地地铁站吗?(この近くに地下鉄の駅はありますか?)」と聞くと、彼は「有,跟我走吧。(あります。付いてきてください。)」と言い、駅まで一緒に行ってくれました。歩きながら話をしていると、彼はちょうど仕事帰りで、地下鉄の駅に向かっていたとのこと。しばらくの間、彼と話しながら歩いていると、寒風の吹く凍てつくような寒さを忘れ、心がぽかぽかと温まりました。
王府井。北京最大の繁華街。
帰りのタクシーから撮影した天安門。
北京のホテルで頂いた朝食。ビュッフェスタイルでたくさんのメニューがありました。どれも本当に美味しく、ずっと食べたかった中国の朝ごはんを食べられてとっても幸せでした。特に茶叶蛋と煎饼がお気に入りです。
Day3~6 桂林
3日目は北京から桂林へ移動しました。飛行機で3時間ほどかかりました。飛行機からは中国の広大な大地を眺めることができ、そのスケールの大きさに終始とても興奮していました。北京を発ったばかりの時は雪山が見えて、南にいくにつれ緑が増え、川や畑、田んぼが見えました。
桂林に着陸する際に撮った一枚。不思議な形をした山々に目を奪われました。桂林はカルスト地形で、長い期間をかけて雨水に浸食され、このような景観ができあがったそうです。桂林は日本の春・秋のような気候で、日中太陽がでている時は長袖一枚で過ごせるくらいでした。
桂林に到着後、バスに乗って桂林博物館へ。
博物館では、古くから桂林一帯に居住している人々の暮らしを再現した模型が展示されていて、桂林の伝統的な文化や生活を感じることができました。
桂林では多くの文化的価値の高い文物が発掘されているそうです。精緻な作りで美しく、古人たちの智慧や美意識が凝縮されているように感じました。
夕方、景勝地である象鼻山へ。岩の形が象が鼻を伸ばして水を飲んでいるように見えることから、この名前が付けられたそうです。湖の周りを歩きながら、のんびりした時間を過ごすことができました。
水の都・桂林。街の至る所に美しい景色が広がっていました。昔から「桂林山水甲天下(=桂林の山水は天下に甲たり)」という言い方があるほど、桂林には美しい自然・景色がたくさんあります。
夜は桂林の夜市へ。屋台では様々な食べ物が売られていました。私はその場で搾って作られたサトウキビジュース(甘蔗汁)を頂きました。フレッシュで自然な甘さが最高に美味しかったです!
夜市を一通り回った後は、湖の周りを散策。桂林の市街中心部にある4つの湖は两江四湖景区と呼ばれ、美しい水路と夜景を見ることができます。ライトアップされた日塔・月塔が水面に映し出されていました。
歩いていると、木の上から何かが吊るされているのに目が留まりました。近づいてよくみてみると、それは中国古典詩の句だと分かりました。陶渊明の「饮酒」という詩の中の「悠然见南山(然として南山を見る)」、「飞鸟相与还(飛ぶ鳥がともにねぐらに帰っていく)」などの句を見つけることができ、私はちょうど日本でこの詩を学んだことがあったので、思いがけない出会いにとても感動しました。それにしても、古典詩の灯で道を照らすなんて、ロマンチックですね。
ライトアップが何とも言えない幻想的な雰囲気を作り出していました。
訪中4日目。靖江王府を見学。王府とは漢代から明初にかけて、各地に王として封じられた皇族が軍事と行政の拠点として開いた政庁のこと。靖江王府は洪武26年(1393年)に完成し、桂林市の中心に位置します。幾度かの戦火に遭い破壊されましたが、その後の修復・再建されたそうです。
続いて訪れた「状元廊」。歴代の「状元」(=科挙試験にトップ当選した人)や、科挙の歴史などが紹介されていました。
午後は桂林航天工業大学を訪問。歓迎式では中日双方の学生による華麗なパフォーマンスが披露されました。
その後、グラウンドに出て、桂林航天工業大学の学生によるドローンパフォーマンスを見学。大空を高速で動き回るドローンの迫力に圧倒されました!
最後に、桂林航天工業大学の食堂にお邪魔して、学食をいただきました。夕食の時間に食堂がこんなに多くの学生で賑わう光景も、日本の大学ではあまり見られないかもしれませんね。中国の学生と一緒に美味しい学食メニューをいただき、短い時間でしたが中国の大学生活の雰囲気を感じるができ、とても楽しかったです!
4日目は漓江くだりへ。桂林観光のメインです。大きな遊覧船に乗り、川下りスタート!
船が出港して間もなくすると、桂林の絶景が。美しい川、山、空に囲まれて、大自然を肌で感じることができました。
ガイドさんによると、11月下旬は降水量が少なく、川の水かさもかなり少ないとのことでした。漓江くだりの一番おすすめの時期は雨季の4月頃から7月上旬までだそうです。川の水位が上がり、より美しい風景をみることができるそう。今回、雨季でないにも関わらず、美しすぎるほどの景色でしたので、雨季に訪れたらどんな絶景が広がっているのか想像もできないくらいです。
4時間ほどの川下りを満喫した後、観光名所・陽朔に到着。
西街のメインストリートには商店が並んでいて、私はここで「桂花糕(キンモクセイのケーキ)」「罗汉果茶(羅漢果茶)」などのお土産を買いました。豊かな自然に囲まれた、素朴で静かな雰囲気がとても素敵な街でした!
Day6~7 広州
6日目は桂林から広州に高速鉄道で移動しました。高速鉄道で2時間45分かかりました。
到着後、最初にいただいたのは、広州と言えばの「饮茶」!美味しいお茶と点心にお箸が止まりませんでした!あっさりで甘めな味付けがメインで、日本人の口に合いやすい味だと感じました。
美味しい昼食をいただいた後に訪れたのは「陳氏書院」。ここは広東省に多い「陳」姓の人々が一族の祖先を祭るとともに、一族の子弟を教育するために造った書院で、陳家祠とも呼ばれています。
精巧で美しい彫刻、陶器、鋳物などが展示されていて、まるで美術館のようでした。
中国最後の夜に訪れたのは広州タワー!ちょうど夕暮れ時だったので、上からは夕日が沈む広州の町を一望できました。
いかがでしたでしょうか?6泊7日の訪中団の旅は毎日が充実していて、学びが多く、本当にあっという間でした。私自身、今回の経験を通して、中国の文化や歴史、スケールの大きさを感じることができ、今後さらに中国語や中国に関する勉強に励んでいきたいと思いました。最後までお読みいただき、ありがとうございました!(編集部N)
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