都市青年のお見合い事情

中国大接近



国家統計局および民政部のデータによれば、2022年の結婚人数は683.3万組と、統計を取り始めた1956年以降、最低を記録した。結婚適齢期の人口、人口流動がもたらず「不安定性」、コロナ禍における経済的苦境や心の交流の機会の減少など、いずれも中国の婚姻率低下の原因であると分析されている。目下、中国の独身者は2億人を超えており、中でも一線・二線都市に居住する「80後」や「90後」が多数を占める。彼らの中には、お見合いを通じて結婚相手を探そうとする者も少なくない。では、彼らは一体どのようにお見合いをするのだろう。今回は現代中国の都市の若者たちのお見合い事情について語ろう。

 

お見合いコーナー「相亲角」

「お見合いコーナー」は、中国人のお見合い方法の中で最も特徴的なものだ。最初は2004年に北京の龍潭公園に登場し、その後、瞬く間に上海、広州、深セン、鄭州、重慶など多くの都市で取り入れられた。

お見合いコーナーでは、結婚相手を探している若者の親たちが、子どもの年齢、学歴、仕事、収入、外見、都市戸籍または現地戸籍の有無、それに結婚相手に求める条件を紙に一つ一つ書いておき、気になる相手が見つかったら、その親に直接詳細を聞き、子どもたちを会わせる段取りをする。

鄭外の李さんは、お見合いコーナーに通ってもうすぐ1年になる。

「年を越せば、うちの子は31歳。いま結婚できなければ、この先、相手なんか見つかりませんよ。」

お見合いコーナーの一角(上海)

「親がお見合いコーナーに来ることには反対しません。私自身もたまに来ます。」90後の琪さんは、親がお見合いコーナーに来ることについて非常に割り切っていた。「親も私のためを思ってのことだと思うので、親がチェックしてくれるなら間違いない相手が見つかると思います。いい人がいれば、会ってみるつもりですし、ピンと来なければ、友だちができたと思えばいいことです」

好まれる条件

いまや若者の多くが、お見合いコーナーという「古臭い」お見合い方法を受け入れているのは、結婚相手の様々な条件が、中国の大都市においては、生活の質に明らかな影響を及ぼすからだ。

一般的に、地元出身>他郷出身、現地戸籍>その他の戸籍、市街地に不動産所有>郊外に不動産所有>不動産未所有、海外留学帰国組>博士>修士>「985」「211」学部という図式が共通認識としてある。また、地方によって好まれる職業も異なり、山東省では公務員が、上海では企業の幹部が好まれる。

多様化する出会い方

対面式のお見合いコーナーや知り合いからの紹介の他、オンラインのお見合いメディアも重視されるようになってきている。1980年代初頭、新聞の結婚募集広告や結婚紹介所が出現した時点で、結婚相手探しは世間から広く注目される事柄になっていた。

昨今では、情報技術の発展により、多彩な新しい体が生まれ、テレビのお見合い番細、婚活サイト、婚活アプリなどが次々に登場している。こうした新しい「仲人」を利用すれば、結婚相手を探している人は、様々な地域、様々な性格のお見合い相手と幅広く交流することができる。

開始から10年以上経ってもなお人気のお見合いテレビ番組『非诚勿忧』

番組によっては、出演者の親をスタジオに招いて一緒にお見合いに参加させ、「父母の言葉」を発表してもらうなどの演出もあり、より中国人の伝統的家庭観に合致する内容になっている。

親もスタジオに招いて進行される

ネットで出会う

ネットでのお見合いもどんどん一般化している。2003年、インターネットサイト「世紀住縁(世紀の良縁)」が開設されたのを皮切りに、「百合網」「珍愛網」といったお見合いサイトが相次いでオープンし、その後、「探探」「阿隔」などの各種出会系アプリも次々と誕生した。社員のために、社内LANに結婚相手募集やお見合い情報を流す会社もあるという。

様々なお見合いサイトや出会い系アプリ

ある調査によれば、2021年の中国でオンラインの婚活・出会系サイトやアプリを利用している人は3000万人に達しており、その多くが90後と80後だという。彼らはIT製品に対する受容度が高く、新しく面白い交際のし方を試す意欲も旺盛で、動画で友だちをつくったり、オンラインゲームでコミュニケーションを図ったりなどしている。

ただ、方法や媒体がどう変わろうと、お見合いの本質は自分に適したパートナーを見つけることだ。お見合いの道を選んだ全ての人が、それぞれの幸せを見つけられるよう願ってやまない。

「月下老人」は道教の神様の一人で男女の縁をとりもつ。白く長いヒゲを生やし、血色よくツヤのある顔をした好々爺の姿をしている

より詳しい記事の内容や日中2か国語記事『聴く中国語』2022年7月号に掲載されています。

   

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