日中の婚礼に関する習慣あれこれ

中国の風習・異文化理解

中国語語学誌『聴く中国語』では毎月、中国の今を知る特集「中国大接近」を中国語と日本語で掲載しています。今回は2024年7月号の中国大接近の内容を日本語でご紹介します。

 中国人なら日本の、日本人なら中国の結婚式に参列した際、婚礼習俗の違いに驚愕した経験がある人は少なくない。例えば中国人なら、日本の新婦が身にまとっている白無垢を見て、心の中で多少なりとも困惑する。


 中国では通常、慶事と弔事を合わせて「紅白喜事」と呼んでおり、葬儀には白を、結婚式には赤を着るのが普通だからだ。

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 また、日本人も、中国人が知っている人も知らない人も区別なく、近所中の人を披露宴に呼んでいるのを見て、なぜそんなに大勢招待するのかと驚く。
 服装、雰囲気、マナー等の観点から、日中両国の結婚習俗には一体どんな面白い違いがあるのか紹介していこう。

色と服装の違い

 中国人は祝い事やめでたいことを表す色は赤だと考えているため、新婦の結婚用チャイナドレスの多くは赤色だ。中国の結婚式では、参列客に対するドレスコードはほとんどなく、外出着でありさえすれば、その格好で結婚式に来て構わない。

 日本人は、白は純潔、神聖さの象徴と考えていることから、神前結婚式では、新婦が「白無垢」を着る。

結婚式に参列する女性客は純白の服は避け、控えめな礼服や和服を着るのがよしとされている。

結婚をめぐる全体の雰囲気

 中国はにぎやかだ。新郎新婦は行く先々で「喜糖(ウエディングキャンディー)」を配る。例えば結婚登記をしに行く時、登記所の職員に。

結婚式当日に花嫁を迎えに行く際に路上で見守っている友人たち、果てはにぎやかしの通行人にまで配る。

新郎を乗せた車の隊列も、単に花嫁を迎えに行くというだけでなく、風物詩として、町全体に「結婚します」と知らせる役目がある

 にぎやかなのは、より多くの人と喜びを分かち合い、より多くの人に祝福されたいと考えるからだ。地方によっては、花嫁を出迎える際、爆竹を鳴らすところもあり、通り中にその音が鳴り響く。宴席ともなるとさらににぎやかで、来客は多ければ多いほどよしとされ、ご祝儀さえ渡せば、赤の他人でも参加してもまず問題ない

ご祝儀

 中国のお祝いは数百元から数千元とまちまちだ。また、中国人は2、6、8の入った数字の金額を好む。なぜなら、「好事成双(いいことが重なる)」という言葉があることから、偶数の数字や物事が好まれるからだ。数字の「9」も人気がある。「久」と発音が同じであることから、新郎新婦の結婚が幸せに長く続くよう祈る意味でよく使われる。

中国の結婚式でよく見かける「囍」の字は、漢字でもありシンボルマークでもある
習慣的に「双喜(ダブルハピネス)」と呼ばれ、ドアに貼ることで、「双喜臨門(二つの慶事が一度に来る)」を願う意図がある

中国では、新たに家族の一員となることを歓迎する意味で、婿や嫁となる新郎新婦に奮発した祝儀を贈る。

日本では3万円か5万円を贈るのが一般的だ。

結婚式の流れ

 日本人の結婚式は、儀式部分と披露宴部分の二部構成になっていることが多く、参列者は場所を変え、新郎新婦の登場を二度待つのが一般的。

日本では披露宴もほぼ流れが決まっており、スピーチや出し物などのプロセスがあいだあいだに挟みこまれ、料理も頃合いを見て一品一品運ばれてくる。


 中国人の結婚式は大体まず受付、開会、指輪交換と宣誓、そして主賓挨拶、乾杯と続き、宴会が始まる

 中国の披露宴も日本と同じく出し物や抽選会などのプロセスがあるが、種類豊富で豪華な料理がハイライトとなる。なぜなら、多くの中国人にとっては、「満足行く食事」が出されるのが「いい結婚式」だからだ。

結婚式場の席順

 中国では、新郎新婦の両親など目上の世代は一般的に最前列の「メインテーブル」に座る。

 日本では、新郎新婦の両親は離れた席をあてがわれる。

結婚式の終わり

 中国の場合は、来客が食事を終えたら帰ってよい。

 日本の場合は、新郎の感謝の言葉を以てお開きになる。参列客が帰る際も、新郎新婦一家が菓子や皿などの引き出物を手渡して見送る。

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今回の内容は『聴く中国語』2024年7月号に掲載されています。さらにチェックしてみたい方は、ぜひ『聴く中国語』2024年7月号をご覧ください。

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