成都3泊4日旅行記

中国留学記
コラムニスト 水上華
日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。

 以前から気になっていた都市「成都」へ、友人と数日間の旅行に出かけた。6月に訪れたが、盆地という土地柄もあり、飛行機を降りた瞬間から肌にまとわりつくような蒸し暑さを感じた。

【1日目】到着早々、本場の火鍋と幻想的な夜景

 まず私たちは、到着早々に火鍋の名店を訪れた。本場の四川火鍋は想像以上に辛く口の中が痺れるような刺激に驚きつつも、しっかりと旨味のあるスープと具材の組み合わせが癖になる味だった。辛さに汗をかきながらも、箸が止まらない体験だった。

 夜には市内のランドマークである「双子塔」「生机之塔」へ向かった。生机之塔は遠くから見たときは少し簡素に思えたが、近づいてみるとその大きさと演出に圧倒された。塔の間にはミストが舞い、竹をモチーフにしたと思われるライトアップが幻想的な雰囲気を醸し出していた。ちょうど双子塔のライトアップの終わり頃に訪れたので、「晩安成都」というメッセージが映し出される瞬間に立ち会えたのは、なんとも幸運だった。

【2日目】歴史に浸り、山と水に癒される

 翌日は、三国志ファンにはたまらない聖地「武侯祠」を訪れた。劉備や諸葛亮といった英雄たちにゆかりのある広大な敷地には、単なる博物館や祠を超えた“歴史の空気”が流れるような場所に感じられた。観光客も多く、まさに成都を代表する観光地という印象だった。

 その後は、道教の聖地として知られる「青城山」へ。今回は「前山」コースを選んだが、山道は木々に囲まれ、鳥のさえずりや水の音が心を癒してくれるような静かな空間だった。調べたところ、より自然豊かで静かな「後山」もあるとのことで、次回訪れる機会があればぜひそちらにも行ってみたいと思った。

 夜は「都江堰」へ移動。紀元前から続く水利施設として世界遺産に登録されているこの場所は、歴史的価値だけでなく、演出面も非常に洗練されていた。とくに青いライトで照らされた川の流れは幻想的で、写真越しにもその美しさが際立っており、多くの人がカメラを手にしていた。人工的ではあるが、非常に美しく静かなスポットで個人的にはとても気に入った場所だった。

【3日目】パンダと伝統文化と夜のエンタメ

 3日目は朝から「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」へ。もともとパンダに強い関心があったわけではなかったが、実際に目の前で見るパンダたちの愛らしさには心を奪われた。笹を食べているかと思えば、突然ぼんやり空を見上げたり、水場で遊んだりと、どの姿も癒しに満ちていた。特に、一口笹を食べた後に疲れたように天を仰ぐパンダの姿には、思わず笑ってしまった。

 午後は「洛帯古鎮」を訪問。石畳の道と古い建物が並ぶ歴史ある街並みには、漢服を着た若者たちが写真を撮る姿が多く見られた。風情ある景観は写真映えし、インスタ映えスポットとしても人気があるようだった。

 夕方に市内へ戻った後は、四川省の伝統的な芸能「川劇」を鑑賞。30元という手頃な価格ながら、変面や火吹き、お茶注ぎのパフォーマンスが充実しており、価格以上の価値を感じた。

 その夜は、ショッピングエリアの「太古里」を少し散歩。ショッピングモールやカフェ、レストラン、バーが立ち並ぶおしゃれな街で、成都の中でも特に若者に人気の高いエリアとして知られている。私たちは「LionWalk(狮子漫步)」というパフォーマンスバーへ。スタッフが目の前で披露する音楽とダンスのパフォーマンスは本格的で、上海でもなかなか見かけないタイプのエンターテインメントだった。事前予約は必要だが、その価値は十分にあると感じた。

【4日目】成都の日常にふれる朝

 最終日、帰路につく前には「人民公園」を散歩した。ここでは多くの人が集い、お茶を飲みながら賑やかに談笑していた。静かに読書をするというよりも、地元の人々が交流を楽しむ場としての雰囲気が強く、成都ならではのゆったりとした日常を垣間見ることができた。

【まとめ】食が記憶に残る旅

 こうして数日間の成都滞在を終えたが、振り返ってみると観光地の魅力以上に印象に残ったのは“食”である。火鍋をはじめとした四川料理はどれも味わい深く、特に「辣子鶏」は忘れられない一品となった。観光地を巡るよりも、「食べること」を中心に据えた旅だったと言っても過言ではない。

本コラムは『聴く中国語』2025年9月号に掲載しております。

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