皆さんこんにちは!編集部員Aです。先日、日中通信社主催「第27回日中カラオケコンクール」(https://www.long-net.com/karaoke27)の決勝大会を観てきました。その感想をお届けします。
今年、日中カラオケコンクールに初チャレンジしたもののあえなく予選大会止まりだった私ですが、観戦するのは今回が初めてです。
今回の出場者はこのようになっています。
こういう大会の楽しみの一つは、「知らなかった曲に出会える」ことだと思います。私は今回の中国語16曲のうち、なんと知らない曲が11曲もありました!一方、日本語曲は1曲を除きすべて知っていました。
知っている曲でも中国人が歌うことで「こういう歌い方もあるんだ」と新鮮に思えたり、日本人の歌を聴いて「めっちゃ発音がうまい!」と勉強になるなど、いろいろな楽しみ方がありますよね。
おすすめの中国語エントリー曲
エントリー曲の中からおすすめの中国語曲をピックアップしてみます。
さて、エントリーナンバー1から出場者が流れるように入退場を繰り返し淡々と進んでいきました。日本人16組、中国人16組が歌い終わるまでには約2時間くらいでしたが体感あっという間でした。
その中で気付いた点を挙げていきます。
選曲が命
選曲がすごく重要だな、と今回思いました。司会者が歌は「◯◯です」と言った時、ザワザワするのはほとんど中国人のようなんですが、中国人の琴線に触れるであろう歌が登場すると「よくぞ選んでくれた!」と反応している感じが客席から伝わりました。客席の熱量が1度上がる感じになります。演者の歌唱力うんぬん以前におそらくそれだけで「つかみはOK」なんでしょう。評価が3割増くらいになると思います。プラスして演者のキャラクターや雰囲気が曲とマッチしていたら、それだけで好印象でしょう。
ただ、この「琴線に触れる」選曲、というのは逆で考えたらよく分かると思いますが、中国人の文化だったり心情だったり時流だったりをうまく捉えないとなかなかできるものではないと思います。
例えば、日本人なら誰でも知っている「津軽海峡・冬景色」ですが、これが歌われるとなったら「おぉっ」と身構えませんか?なぜなら、毎年紅白歌合戦などで聴いて身に染み付いている曲で、このタイトルを聴いただけで「温かい部屋で家族団らんしながらのんびりテレビを観ている」という経験と一体になっているからです。この感覚は長い間日本に住まないと生まれないと思います。
「自分の好きな歌・歌いたい歌」以外に「本当に中国人の琴線に触れる曲」という視点を取り入れるのであれば、自分で探し出すのは難しいでしょうから、周囲の中国人にきいてみるのがいいかもしれません。
パフォーマンスで3割増
パフォーマンスにおいても「中国人の琴線に触れる」ということがあると思います。また「津軽海峡・冬景色」を出して恐縮ですが、中国人が美しい着物姿で演歌歌手のような装いだとグッときますよね。こちらもそれだけで評価が3割増しのはず!それと同じで歌の時代や背景を感じさせる漢服やチーパオ、民族服、小物、舞踊でしょうか。私は今回ある日本人のパフォーマンスに内モンゴルの大草原や雲南地方の大自然が勝手に見えました(笑)。また、昔懐かしのオールド上海も眼の前に広がりましたよ!
日本人の中国語と中国人の日本語比べ
中国人から聞いて「ほぼネイティブ」という感覚は日本人からしたら分かりませんが、一番顕著に日本人の発音の差が出るのは「反舌音」だと思いました。特に歌詞の中に「是不是」や「如果」なんかはよく出てくるので、ここがきれいに決まると「発音が上手だな」という印象になりました。「カタカナ中国語」に聞こえてくる時は「発音があともう少し」という印象です。
中国人のみなさんは本当にお上手で素晴らしく、日本人でも難解な単語をよく歌えるな、と感心しきりでした。日本語を音に乗せた時、3文字の単語(例:あなた)の最初の一音に2文字(あな)をいれるか、そのあとの音に2文字(なた)乗せるかで原曲と異なる歌い方をする方が結構いらっしゃるな、と思いました。この微妙なニュアンスを使い分けるのは難しいのかもしれません。
出場者のバックグラウンド
圧倒的な歌唱力があり、そこから中国語または日本語の歌にたどり着いた方、また最初に語学ありきでそこから歌に入った方と、バックグラウンドが垣間見えるような気がしました。日本語を難なくナチュラルに歌っている子どもたちは「日本の小学校に普通に通っているんだろうな」と推測しました。
常連さん率と出場者の全体バランス
「常連さんが多い」と聞いていましたが、今年もその傾向があったようです。前年比になるのですが独自に調べたところ、中国人16組うち3組(18%)、日本人16組うち7組(43%)が連続出場していました。ここ5年くらいの出場者でみるともっと上がると思います。予選参加者85名を考えると日本人は確かに常連さん率が高い気がします。
常連さん以外だと、出場者の年齢、性別、ジャンルのバランスは必ず考えていると思いました。例えば、今回子供枠は中国人と日本人それぞれ1組です。それと、ゲストの楽曲を歌う方は必ず2枠くらいは確保してるのではないでしょうか。
どうしても決勝に進みたい!という場合は、例えば30~50代女性の出場者が多く、20人→5人(倍率4)選ばれるのと、子供枠3組→1組(倍率3)を比べると後者のほうが倍率が低くなりますね。あくまでも憶測ですが!
そのほか編集部員のコメント
「後ろに字幕をつけてくれたら歌詞がわかりやすい」というコメントがありましたが、確かに歌詞が分かれば語学の勉強になりますね!
まとめ
やはり予選出場しようと思うと、その場の空気感は一度体感したほうがいいと思いました。予選出場しなくても、コンサートとしても楽しめるものでした。ゲストの加藤登紀子さんのパフォーマンスも素晴らしく、生で『時には昔の話を』を聴けて大大大感激でした。
結果がこちらに発表されています。入賞が予想できた方(私の周囲とも意見が一致)もいますが、意外だった方もけっこういました。パフォーマンス賞が一番分かりやすいですね!賞によって審査基準があるのでしょうが、最後は審査員の好みかと思います。会場を沸かせる=入賞、とはまた違いますね。
出場者の方、大変おつかれさまでした!&入賞された方はおめでとうございます!日中が歌でつながることは大変意義深いことです。そこに関わる人すべてが素晴らしいと思いました。
今後も、より多くの人が気軽に参加することで、日中友好の輪がもっと広がるきっかけになるかもしれません。
今年観戦を逃した方は、ぜひ来年は観に行ってはいかがでしょうか?
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