編集部員Aです。先日、日中通信社主催「第27回日中カラオケコンクール」(https://www.long-net.com/karaoke27)の予選に参加してきました。その様子をレポートします。
きっかけ
・日本人が中国語を、中国人が日本語を歌うカラオケコンテスト。
・年齢、人数は制限なし。
・毎回大物スターであるゲストが来て歌う。
・優勝以外にも「パフォーマンス賞」など多くの特別賞がある。
以上は日中カラオケコンクールの特徴です。本大会を知ったきっかけは弊誌に掲載されたポスターでした。中国に10年以上関わってきたのに、こんなに歴史のある大会を知らなかったのが不思議です。

実際に出場するトリガーとなったのは、ポスターを見る以前に会った人の「日中カラオケに出て入賞したことがある」という一言でした。ポスターを見て「あ!これか」となり「私も出ようかなー」とじわじわグズグズ迷っていました。予選エントリーまで2週間くらいを切ったころ、中国語学習仲間からの「こんなんありますね~」とやり取りがあり、「みんな興味あるのか。よし出よう」と思い立ちました。
実は音楽活動歴が長く、歌うことも好きな私ですが、中国でもキーボード&ボーカルで何度かユニットやバンドで中国語曲を演奏したことがありました。一時期どっぷり浸かっていた音楽活動からは少し遠ざかっていて、ここ数年は「年1回はライブ演奏をする」ことを目標にしていました。なので、審査員の前で歌うことを考えれば、これもライブみたいなもんか。いい機会です。

選曲
過去数年分の動画を見てそれとなりに傾向と雰囲気を掴んで選曲を開始。その中に前述した知人の姿もありました。私が中国に行ってからめちゃくちゃ好きになって、帰国後も何度もカラオケで歌った曲で優勝していました。候補になりそうだったんですが過去の優勝曲ということで除外。次に候補となったのは次の5曲。
自分が好きな曲、好きなアーティスト、知名度がある、歌ったことがある、中国人が好き、という観点から選曲しました。どれもいい曲ですので、よかったらみなさんも聴いてみてください。
YouTubeでオーバーラッピングしながら歌ったところ、有力候補の「1」はキーが低く、「3」は高い!どうにかならんものかと思っていたところ、過去の出場者ブログを発見。「キーを変えられる」との情報を入手!念のため事務局に問い合わせたところ「キー調整は可能」ということでした。そうなると、どんな曲でも選び放題です!
ヒトカラ(1人カラオケ)1回目
予選はDAMが使われるということでDAMに音源がないと始まらないので調査&試し歌いでカラオケにこもりました。結果、「5」はDAMになし。4曲に絞られました。「4」はスローテンポで歌の抑揚がつけにくいので除外(もちろんいい曲には変わりないですが!)。同じアーティスト対決となり「2」と「3」で、「2」のほうが歌いやすいので「2」。「1」と「2」をしばらく歌って、キーを調整し歌っている時の心地よさなどを見てほぼ「1」の「吻别」に決まりました。
エントリー
これはエントリーする際に知ったのですが、第一希望の曲がなかった時などに「第二希望」の曲を書く欄があったので「2」にしました。参加費3000円をPaypayで支払ってエントリー完了。募集要項に記載がなかったので、いざ応募するとなって「え!」と思う方もいらっしゃるかもしれません(事務局様お願いいたします)。私は事前に参加費についても問い合わせました。
就活のエントリーシートのように自己紹介によって審査員の印象も変わることがあるのか?と思いつつ、長めに書きました。「今回の参加によって『聴く中国語』の読者と交流ができればうれしい。また、今回の体験を読者とシェアしたい」といった熱い気持ちも盛り込みましたよ!
家練
カラオケで歌っている自分を動画に撮り、帰宅して発音、ピッチ、マイクの持ち方、目線、動作などを確認し、毎朝30分程度のボイトレと歌の練習を開始。
以前、中国の市場で買ったマイマイクが家にあるのですが、3歳の娘がいたく気に入ってしまいました。自分の声が反響するのが面白いのと、保育園で先生がマイクを使っているのを真似たり、事あるごとにマイクで遊ぶようになりました。

私があんんまり同じ歌を歌っているものだから、サビのところで「♪うぉふにうぇんびぇぇぇぇ」と一緒に大声で入ってくるようになりました。これは、子どもの中国語学習にいいかもしれません!自然に中国語を聴いて話しています!

ヒトカラ(1人カラオケ)2回目
1週間を切ったころくらいに直前ヒトカラに行きました。感情の入れ方、微妙な揺らし方、ビブラート、しゃくり、エッジボイスなどの箇所を最終確認しました。3回くらい歌っては「我可以抱你吗」を1曲歌って休憩、を何度か繰り返しました。ちょっと飽きてくるので、時々全然関係ない歌を挟み、仕上げに3回ほど歌ってカラオケルームでの練習は終了。
予選本番
さて、特に体調を崩したり喉を痛めることもなく本番を迎えました。9月でまだかなり暑く、決勝に進んだら着ようと思って買った長袖ワンピースが着れない!「吻别」のいろいろなバージョンをYouTubeで観ていた時にすごくカッコよかったのが刘惜君のカバー。
これの影響で「都会的な黒が合う」というイメージになったので、黒のノースリーブのワンピにチェンジしました。メイクをいつもより濃くし、履きなれないヒールでいざ出発。
1週間ほど前に送られてきたメールに番号と予選時間が書いていました。20分前には受付を済ませてくださいとのことでしたが、周辺のカラオケでウォーミングアップをしようと早めに出ました。会場の下見で高田馬場のKTVに行くと、手前の部屋に受付がありました。1時間ほど前に到着しましたが、リハーサル室があるということだったので、受付を済ませて本番までそのまま会場にいることにしました。その時に決勝に進出した際に歌う順番を決める抽選くじを引きました。
おそるおそるリハーサル室を開けると、4、5名がいて本番が終わった人もいればこれからの人もいました。大画面で数人の前で練習、というのもなんだか少し恥ずかしい気もしましたが、とりえあえず駆け付け一曲。終わった人も普通にカラオケを楽しんでいた様子でした。「初めてなので勝手が分からないんです」と、隣の本番後の方に声をかけてみました。「審査員が2人いてこの方向を向いている、大画面を見て歌う。歌の途中で切られる」といったことも事前に教えてくれました。また、初参加で関西から来てるという順番の近い女性とも交流しました。常に人が出入りしている状態で、過去数年出場している常連らしき方とも何名か同室になりました。

いよいよ披露
受付時に自分の番号が2つほど繰り上がっていたものの、時間は予定を過ぎており、なんだか「ゆるいなぁ」と思いながら本番の部屋の前の椅子で呼ばれるのを待っていました。途中で「終わったらインタビューに協力いただけますか」とスタッフに声をかけられたので承諾しました。順番が来て入室を促されて、本番の広いパーティールームに入りました。鞄をワキに置いて、部屋の中央の立ち位置まで進みます。少し緊張します。
中にはスタッフが2、3名と審査員2名がいらっしゃいます。うすうす予想はしていましたが、日本人男性の審査員は私が一番好きなアニメの歌をかつて担当したバンドの元ギタリストさん!!「いらっしゃるーーーー!!!」という感動でいっぱいになりましたが、そこは抑えて集中。歌詞は全部覚えていましたが、審査員を向けばいいのか、大画面に向けばいいのかよく分からないまま大画面を見ながら歌い出しました。緊張がありながらも割とリラックスできていたと思います。

1番が終わったころ、日本人の審査員が「そこまでで」と言って歌唱は終わりました。最後まで練習していたので「もう終わりなの!?最後まで歌わせてください~」という感じでした。「もっと身体全体で表現を。例えば身体を揺らしながら。ジェスチャーを入れると歌詞の意味がもっと伝わってくる」といったコメントをいただきました。中国人の女性審査員からは「歌詞のカタカナは見ないで。「世界」の発音とかに気を付けて」と発音のことを言われました(中国語教材を作っているのに発音が至らずすみません)。私がいかに上述したアニメの曲が好きで「何千回聴いたか分かりません。大ファンです」と言いかけたのですが、そこは一人分の持ち時間もあるだろうし、胸に秘めたまま「ありがとうございました」と言って部屋を出ました。言うべきだったのか分かりませんが…こういう雑談をしても良いものか、誰か教えてください!
その後、別室でカメラが回っている前で「なぜ参加したか」などと言ったインタビューを受けました。決勝に行っていれば編集して後から動画で配信されるものでしょう。
結果
審査結果は、予選から2週間ほどしてメールで送られてきました。結果は残念ながら落選。
一人一人にコメントがあるのかと思いきや、「惜しくも決勝進出は逃しましたが、皆さまのパフォーマンスは素晴らしかった」という全体に送られているであろう主旨の内容でした。
今回は85名の日本人が予選に参加しており、そこから決勝に進出する17名に選出されるのは難しいのだな、と思いました。「もしかして出られるかも」とわずかな望みもあったので少し残念でしたが、「これで全国に顔出しする心配もなくなった」とも思いました。決勝では『聴く中』キャラクター・パン君のお面を編集長に作ってもらって、『聴く中』PRかつ顔出しなしで出ようかとも画策していました(笑)。

決勝は常連さんも多いようなので、審査員の何かを攻略すれば今後出場できる機会もあるのかもしれません。
予選止まりでしたが、全体を通して中国語の歌を練習している時間は幸せだし、リハ室で知り合った方から「中国語カラオケサークル」を教えていただいたり、私が昔大好きだったバンドの元メンバーにも会えたり、と言い事尽くしでした。結果は残念でしたが、それでも出てよかったなと思っています。
決勝に進まれた方は、おめでとうございます!私ももちろん決勝に観に行きます。チケットはこちらから入手することができます。
来年出場を考えている方は一緒に下見に行きませんか?私もまた来年予選にエントリーするかもしれません。その時は予選の会場でお会いしましょう!
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