「上班和上学之間选择上香 (職場と学校に行く前にお寺に行く)」。これは、最近よく聞く、現代中国人の精神状態を揶揄する言葉だ。そう、確かに、試験の前に廟(日本で言う神社仏閣)に行き神頼みをする人、恋人との結婚を占う人、結婚前に高名な占い師に良き日を見てもらう人は少なくない。「算命(占い)」は、数千年の昔から、中国人の生活と切っても切れない存在だと言える。一般的に、狭義の「算命」は「生辰八字」(出生の年月日と時刻を表す干支を組み合わせた8字)を基に運命を推し量ることを、広義の「算命」は観相、星占い、夢解き、占筮(せんぜい)、風水などを指す。ではこれから、長い歴史を持つ神秘的な中国の「算命」文化について一緒に見ていこう。
観相術
最もよく見かける「算命」はおそらく、先秦時代に端を発する観相術だろう。観相術は、人の顔立ち、顔の形、骨格、血色、体つき、手のひらのシワ(線)などを基に、性格を判断したり、吉凶禍福を予測したりするものだ。人相占いの大家は、一般的に、額の広い人は頭が良く明るい性格で、眉毛が太い人は地位と富を手にし、唇が薄い人は口が上手く、毛髪が硬い人は個性が強く、鼻が高い人は財運に恵まれ、耳が大きく厚い人は幸運であると判断する。中国語には「相由心生(心は顔に現れる)」という言葉があるが、観相術が今日まで伝わっているところを見ると、確かに一理ありそうである。
生辰八字
生辰八字を用いた占いとは、出生日および出生時刻の十干十二支を通じて運命の良し悪しを予測するもので、四柱推命術とも呼ばれる。おそらく唐・宋以降最も主流の運命の占い方式の一つだと思われる。例えば、1990年1月1日11:30生まれの張暁紅という女性がいるとすると、この女性の八字は「己巳、丙子、丙寅、甲午」となる。占い師はきっと、張暁紅は「丙火」の運命で、情熱的でこざっぱりした性格で、頭が良く自分に自信があるタイプと判断するだろう。
紫微斗数
紫微斗数とは、星と命宮で占いをする方法であり、五代以降に発展した、中国の占星術の一種である。「紫微斗数」の「斗」は南斗と北斗を、「数」は吉凶禍福の運命を指している。この占術では、人は生まれた時の「星の位置」により一生の運命が決まり、また、人は夫妻宮、子女宮、財帛宮、官禄宮など12種類の「命宮」を持っていると考えられている。出生した年、月、日、時で命宮が決まるため、これに基づき、生涯の地位、財産、家庭、運勢などを鑑定する。
六爻
実は、中国の様々な占いは、全て『周易』の「八卦六爻」と何らかの関係がある。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の「八卦」もこれに由来する。八卦というのは、天、地、雷、風、水、火、山、沢を表す乾、坤、震、巽、坎、離、艮、兑の8つの卦象を指す。八卦はさらに2つずつ組み合わさり、より複雑で、自然界や人間社会の変化を鑑定する六十四卦を構成する。一方、爻というのは、卦象を表す横線のことで、「一」のような字形を陽爻、真ん中が途切れているものを陰爻と言う。3つの爻を縦に並べたもので1つの卦を表すことから、2つの卦の陰爻陽爻の組み合わせを「六爻」と呼ぶ。
周公解夢
道具を用いた占いの他、「夢解き」という「算命」方法も民間に広く流布している。夢解きに特別な理論体系はないが、夢で吉凶を予測できると信じている人は多い。『周公解夢』は中国の庶民の間で最も有名な夢解きの書物だ。同書には、水の上を進んでいる夢を見たら大吉、大火事の夢は金持ちになる暗示、大泣きする夢を見たら大きな喜びが待っている、女性で蛇が腹の中に入ってくる夢をみたら子どもが生まれる、などと書かれている。
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