『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第26回「水郷・西塘における「漢服文化ウィーク」」。

日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。
先日、中国浙江省嘉興市嘉善県にある西塘鎮で開催された“汉服文化周”(漢服文化ウィーク)に行ってきた。「ミッション:インポッシブル3」や周杰伦の《天涯过客》のロケ地である西塘は、上海から車で約1時間半の場所に位置する水郷だ。とても広い場所なので二日間かけてゆっくり回ることにした。
タクシーで出発
初日は、12時30分頃に上海を出発した。行きはDidi(タクシー)に乗って向かうことにした。その日は雨が降っていたため少し時間がかかり、ホテルに到着したのは2時過ぎ位だった。授業を終えてすぐに出発し、あまりにもお腹が空いていて西塘の入場口目の前にあるマクドナルドで軽く腹ごしらえをした。今回私たちは入場パスを頂いたので、“汉服文化周”期間の出入りが自由だった。(通常8〜17時は95元、17時以降は入場料がかからない。)天気が悪かったのもあり、その日は入口の方を軽く見て早々に切り上げた。
開幕式を見学

2日目は“汉服文化周”の開幕式を見に行くため早めに起床しホテルを出た。会場は“汉服”を着た人たちで溢れかえっていた。前日は雨だったこともあり人が少なかったが、この日は天気の良い週末ということもあり、多くの人がいた。“网红”も沢山参加しており、ファン達が周りを囲っていた。上海の街を歩いていても時々网红らしき人を見かけることはあったが、初めてしっかり見てみると皆本当に顔が小さく、細くて綺麗だった。男性も190cm近くありそうなスタイルの良い人ばかりで、異次元のようだった。開幕式が終わると私たちも西塘の街をゆっくりみて回ることにした。
路地裏散策

細く狭い路地が入り組んでおり、通りには小さな店が何軒も並んでいた。店のほとんどは中国の観光地でよく見かける小吃やお土産屋さんが大半だった。この日、西塘に来ていた人のほとんどは“汉服文化周”が開催されていることもあり汉服を着た人が大半だった。中国の古い伝統的な建物と汉服を着た人々のおかげで、まるで古代にタイムスリップしたかのようなとても面白い景色を見る事ができた。

人気店で夕飯

夜ご飯には【七张桌精品餐馆】というお店を訪れた。このお店は非常に人気で、私たちが入店した時には満席になっていた。電話番号を伝え、呼ばれるまでブラブラしていようと思っていたら、店員さんに声をかけられ、もう一つの店舗の2階にひと席空きがあるが商品を出すのに時間がかかっても大丈夫ならそこに通しますよと言われ、もう一店舗の方へ行くことにした。私たちは秘制牛肉、酱爆茄子、空心菜、回锅肉の四品を頼んだ。どれもすごく美味しかったが、個人的には秘制牛肉が一番美味しかった。そして店員さんがとても優しくサービスとして酱爆螺丝と竹荪鸡蛋を出してくれたが、この2品もとても美味しかった。竹荪鸡蛋は商品を出すのが遅くなるから先にこれ食べて待っていて、といただいたのだが、お腹が空いていたこともあり一瞬で平らげてしまった。
夜の西糖散歩

ご飯を食べた後、夜の西塘を軽くみて帰ることにした。夜の西塘はライトアップされ、とても綺麗な景色が広がっていた。飲み屋街的な道もあり、そこは大音量で音楽が流れ、若者が集まりそうな雰囲気があった。一通り西塘をみたのでホテルへ戻ろうとしたが出口が見つからず迷子になっているところを西塘の住人が出口まで案内してくれた。
まとめ
今回西塘に来て感じたのは、親切で穏やかな方が非常に多い。Didiのドライバーさん達もとても優しく穏やかでたくさん話をしてくれ、出会った人たちが皆本当に優しいなと感じた。お陰で個人的に好きな中国の街Topに入りそうだなと思った。
本コラムは『聴く中国語』2025年2月号に掲載しております。

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