5月下旬、編集部員Tは家族で大阪旅行に行ってきました!
今回の旅の目的はもちろん、現在開催中の大阪・関西万博ですが、前日に万博記念公園内にある国立民族学博物館にも立ち寄り、“予習(?)”をしてきました。
中国関連の仕事に携わる身としては、やはり民族学博物館の中国展示ゾーンや、万博の中国パビリオンは外せないスポット。
というわけで今回は、日本にいながら中国を旅したような気分になれる、2つのスポットの体験レポートをお届けします。

国立民族学博物館:中国ゾーン

1970年大阪万博のシンボルとなった岡本太郎の「太陽の塔」が今も鎮座する万博公園にある国立民族学博物館(みんぱく)。ここは世界中の民族の膨大な実物展示をしている博物館ということで、民族文化に興味がある私にとって以前から訪れてみたい場所でしたが、大阪ということでなかなか訪れる機会がありませんでした。
今回、大阪・関西万博に合わせて念願の訪問が叶い、一石二鳥の旅となりました!
中国ゾーンは展示終盤に登場

広大な展示スペースの終盤、ようやく東アジアゾーンが登場。中国地域の文化コーナーもかなりの規模です。一国に56の民族が共存している中国ならではの、民族学的に豊富な展示物が目を引きます。
各地の民族衣装がお出迎え

展示の冒頭では、雲南省や貴州省などの少数民族や、満族、新疆ウイグル自治区の民族衣装などがずらり。とくに新疆の衣装は中央アジア文化との共通点も感じられ、実物を間近で見られるのが魅力的です。

住居紹介も充実

北京の胡同(フートン)の模型と、1960年代の貴重な映像も流れていました。現代では細かく区切られて使われがちな胡同ですが、かつての広々とした住まいぶりには、本来の暮らしの豊かさが感じられました。

また、中国最大の少数民族であるチワン族の高床式住居の原寸大展示も。正面に祭壇があり、そこがダイニングにもなっています。子ども部屋や台所なども細かく再現されていました。
その他の展示も見応えあり

赤い花嫁衣装や台湾の少数民族紹介、世界に広がる華僑やチャイナタウンの紹介、さらに伝統の操り人形や紙人形など、実際に使われていた物を通じて中国文化を学べる展示が充実しています。
■公式サイト:国立民族学博物館
大阪・関西万博:中国館

人気パビリオンのひとつと聞いていた中国館。待ち時間は1時間半〜2時間とアナウンスされていましたが、実際は40分ほどで入場できました。
待ち時間も飽きさせない工夫

中国の伝統的な書道の巻物を広げた形をモチーフにした外観は迫力満点。足元は墨色のタイルに書のモチーフが印象的です。
前庭にあるパンダ看板のQRコードを読み取ると、日本語・中国語・英語で館内の紹介が表示され、待ち時間も無駄なく楽しめます。
今週は「河北ウィーク」だったようで、特設ブースも登場。館内で河北省の物産品が飾られ、紹介映像が流れるほか、時間によってはステージイベントも行われるようです。

パンダしおりがもらえる

入口で配られるのは、裏にQRコード付きのかわいいパンダのしおり。
館内展示の各所にあるスキャナーにかざすと、最後にちょっとした“お楽しみ”があるとのこと。
潜水クルーがお出迎え

入り口では中国有人潜水艇のクルーの方々が映像でお出迎え。潜水艇による深海調査の展示などもされているようで、期待が高まります。
漢字が生まれる演出

館内に入ると、漢字が象形文字に変化していく様子が滝のように流れる演出が現れます。竹模様の壁に白い文字が流れ、本物の書簡を見ているような美しさでした。
二十四節気のアニメーション
続いて登場するのが、二十四節気や中国の農村の四季を紹介するアニメーション。伝統文化の切り絵と映像の融合、山水画タッチで描かれたアニメは、子どもたちにも分かりやすい内容です。
出土品を3Dで観賞
古代の出土品を手に取るように見られる3D映像も。未来感のある展示で、“万博っぽさ”を感じました。
実物展示&工芸品コーナーも

切り絵や工芸品などの実物展示もあり、興味があればスタッフに声をかけると詳しく教えてくれるようです。
「中国人の24時間」映像

中国の人々の一日を8分間の映像で紹介。自然に調和した生活リズムや家族との交流を大切にしている点がとてもいいなと思いました。
中国の宇宙開発技術も

中国の宇宙開発技術の紹介の中には、月面で採取された土の展示も。人気スポットということで時間によっては長蛇の列担っていると聞いていましたが、私はたまたまスムーズに見学でき、見ることができました。中国人スタッフの方に撮影スポットも教えてもらい、無事撮影成功しました!

最後にサプライズ
入場時にもらったしおりのQRコードを各展示でかざしていくと、最後にちょっとしたサプライズが。内容は秘密にしておきますね!
おみやげコーナーも充実

出口でパンダグッズや茶器などが販売されていますが、少々お値段は高め。
手前味噌ながら、友好書店の中国超市のほうがリーズナブルかもしれません。
是非チェックしてみてください!
■公式サイト:EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
中国パビリオン | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
まとめ
国立民族学博物館の中国エリアは、実物展示が豊富で、伝統的な中国の民族文化や暮らしに触れることができる貴重なスポット。
一方、万博の中国館は、QRコードやプロジェクションマッピング、映像演出などを駆使し、“未来の中国”を感じさせる内容でした。
見せ方は全く異なりますが、それぞれの魅力があるので、可能であれば両方訪れるのがおすすめです!
最後におまけ

個人的には、情報があふれる時代だからこそ、「閉ざされた国」に惹かれる傾向があります。
今回、2019年までイスラム教徒以外は観光入国できず、今もって謎の多い国・サウジアラビア館にも入場しました(…が、実態はよくわからず。笑)。また、“中央アジアの北朝鮮”とも称されるトルクメニスタン館では、国王が馬に立ち乗りし、日本と自国の国旗をなびかせる映像が流れる(!)など、インパクト抜群の演出も。足を運ばれた方はぜひ見てみてください!
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