很有意思!日中マナーの違い ~食事とマナー~

中国文化

「同じ東洋人だから通じ合えるはず!」と日本人が気軽に中国に行ったら様々なカルチャーショックを受けます。実際、中国に派遣された海外駐在員が鬱になりやすいという統計も出ているとか。ここでは、中国に足掛け13年住んでいた日本人編集部員Tが、体験談を交えて日中文化ギャップをご紹介したいと思います。特段マナーにうるさくない人間だと思っていますが、実際に住んでみて当初は理解ができないことも多々あった日中間ギャップ。在住経験があったり中国にお詳しい方は「ああそうだよねえ」と思い出していただき、初めて知る方は「ふーん、そうなんだ~」と覚えておいてもらえると、いつか役に立つかもしれません。ぜひ気軽にお付き合いください。

仕事の後は職場の人と飲みに行くよね?

中国:行かない

日本:行く

日本では、職場の同僚と夕飯も兼ねて飲みに行くのは当たり前みたいなところがありますね。一昔前は、飲みニケーションなんて言葉もありました。コロナでリモートワークが普及する前は、今よりももっと居酒屋がサラリーマンたちで繁盛していました。私も東京で営業職をしていた20年くらい前は、残業のあとはしょっちゅう同僚や先輩、あるいは上司と飲みに行っていたものです。悩みや愚痴をお互いに話したり聞いてもらったりして仕事仲間と親睦を深めていたんですね。コロナになって、会社の飲み会が嫌だったという声も多数でていますが、お酒の力を借りて心の内を打ち明けるというのは、シャイな日本人にある意味合った交流方法だと思います。

さて、中国は違います。定時で終わるやいなや、帰宅し家族とご飯を食べます。

日本での生活とあまりの違いに最初はちょっと寂しいな~と思っていました。しかし、中国の人たちが家族をとても大事にしているということを知って、自分も家庭を持った今、そういう考えも素敵だし、むしろ健全だな!と思っています。仕事だけが人生ではありませんからね。

その他、現実的な問題としてお金の節約という面もあるようです。家のローンや教育費など、現代の中国ではお金がかかるもの。そこは日本のサラリーマンと一緒かもしれません。

そんな中、最近は大手企業(ファーウェイタオバオなど)が本格的な社食を取り入れ、そこでとてもリーズナブルで美味しい夕食を同僚と取るようなことはしているようです。中国の人たちのあこがれの場所だそうですよ。

ファーウェイの食堂。中国各地の料理のほか和食やタイ、インド、韓国料理などさまざまなメニューがあるという
ファーウェイ本社の日本料理店。カウンタースタイルが本格的!

レストランで上着を脱がない?!

中国:脱がない

日本:脱ぐ

日本では、レストランや誰かのお宅にお邪魔する際、上着を脱ぐのが礼儀ですよね。お店なら上着やカバンをかけるハンガーや籠があったり、お宅では裏返しにして畳むなど身軽にするものです。

さて中国では、レストランで上着を脱ぎません(笑)。なんならリュックも背負ったまま食べたりします。中国では上着を脱がないと失礼だという感覚はないそうです。暑かったらもちろん脱ぎますが。

最初は私も中国の人はなんてせっかちなんだーと思っていました。ですが、実はこれ防寒&防犯も兼ねているのです。今でこそ中国のレストランも空調が効き適温になっていることも多いですが、一昔前だと空調が整っておらず店内も屋外同様寒すぎたり、上着や荷物をかけるところがなく汚れたり、万が一取られる心配もあるため、脱いだり置いたりという発想がありません。いまだにその行為は浸透していなかったりするので、寒い日に中国人がモコモコのままレストランで食べていても大目に見てあげてくださいね!

料理は残さず食べるもの!

中国:残すのがマナー

日本:残さないのがマナー

日本では、出されたものは残さず食べるのが作ってくれた方への最低限の礼儀と教わってきました。学校給食なども残そうものなら、全部食べるまで居残りさせられたものです。各家庭でも「アフリカの貧しい子供は今この瞬間も食べるものがないのよ。残さず食べないとバチが当たるよ!」とかなんとか親に言われて育ってきたでしょう。

その点中国は真逆です。全て平らげるのは「まだ足りない!」という意思表示となってしまい、食べ終わった端からどんどん料理が運ばれてきてしまいます。あふれるほどの量でもてなす、たっぷりと振る舞うというのが中国のおもてなしの考えだからだそうです。なので最初から食べ切れるように作られていない事も多く、満腹になったら遠慮することなく残しても大丈夫なのです。

ちなみに、これは外食や家族以外の人に振る舞う際の話で、家族や身内で食べる時はもったいないので残さないようです。残す場合は「打包」というお持ち帰りの文化もありますよね。

その昔、日本から遊びに来てくれた友人らを「呷哺呷哺」という一人しゃぶしゃぶチェーンに連れて行った時、日本のような「套餐」セットを頼んだのですが、野菜の多さに友人たちが圧倒されながら全て平らげたのには驚きました。中国慣れした私は最初からすべて食べる気はありません。彼女たちの目には、私がまるでわがままな子供のように映ったことでしょう。後日、彼女たちのお腹が痛くなっていなかったようなのが幸いでした。

お支払いはモチロン!

中国:主催者や年配者が全額持つ

日本:割り勘

日本では大人数の飲み会などは割り勘が当たり前ですね。多少お金を持っている年配者やお金持ちが多めに払うこともあるでしょうが、基本的に割り勘は庶民には平等でわかりやすく安心でおなじみの方法です。こんなところに日本の連帯責任感が影響しているような気もしますね。

中国では、割り勘は最近でこそAA制といって若者の間では浸透してきましたが、基本的には今でも主催者や年配者、お金を持っている人が全額奢るのがスタンダードです。奢られる方は太っ腹な主催者に敬意や憧れを抱き、奢る方は鼻高々に良い気持ちになれる、このシステム。面子を気にする中国人に合っている気がしますね。慣れてくると中国のほうがなんだか気持ち良いなあとさえ思います。

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