飛び込め北京~編集部員Tの北京生活13年~⑯北京の暑さに負けるな!地元民が愛する夏のドリンク&フード&涼みスポット

飛び込め北京

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突然ですが、北京の夏ってどんなイメージですか?
北京は中国北方に位置し、緯度は日本の秋田市とほぼ同じなので、涼しいのでは?と思う方もいるかもしれません。ですが、実際は全くそんなことはありません。
北京の夏は非常に暑いのです。

緯度が高いため、朝4時台から夜8時頃まで日照時間が長く、また海から離れた内陸にあるため日差しの熱がこもりやすいこと、さらに山に囲まれた盆地特有の乾燥した空気、そして都市化によるヒートアイランド現象…こうした条件が重なり、非常に暑くなります。
特に7月と8月は最高気温が35℃を超える日が多く、熱中症のリスクも高まります。

今回は、そんな暑い夏の北京で、胃腸があまり丈夫とは言えない日本人の私が、何を食べ飲み、どのように乗り切ってきたかをご紹介します。中国語表記とピンインを添えましたので、注文の際にぜひ声に出してみてくださいね。

消暑饮料 夏の飲み物

まずは暑さを和らげるために欠かせない飲み物から。私は毎日色々な飲み物を試していました。
北京は乾燥しているうえに、どこでもかしこでも「多喝水(水をたくさん飲みなさい)」と言われる(笑)ので、普段よりもさらに水分をたくさん摂っていた気がします。中国ならではのモノから日本でもお馴染みのモノまであり、スーパーに並ぶペットボトル飲料も多種多様で、買い物が楽しみでした。

酸梅湯 suān méi tang サンメイタン(スモモのお茶)

烏梅(燻製梅)・山楂(サンザシ)・甘草・陳皮などを煮出した伝統的な飲料。ほんのり甘酸っぱく、体を冷やして消化を助ける効果もあるとか。北京の夏の定番で、私も辛い中華料理に合わせるのが大好きでした!

ペットボトル飲料や缶飲料も売られています。漢方風味の梅ジュースといったところです。

王老吉 Wáng lǎo jí ワンラオジー(涼茶)

体の熱を冷ます効果がある薬草茶のブランドで、夏の暑さ対策にぴったり。すっきりと甘みのある味わいが特徴で、火鍋や焼肉の後に飲む人も多い定番ドリンクです。体に良い気がしてたまに飲んでいました。

北冰洋 Běi bīng yáng ベイビンヤン(北京発オレンジ炭酸飲料)

1950年代から愛されている北京発祥のレトロなオレンジ炭酸飲料。爽やかな柑橘の香りと適度な炭酸が、蒸し暑い北京の夏にぴったり。今も地元の人々に親しまれています。薄めのファンタオレンジといったところでしょうか。かわいらしいしろくまがトレードマークです。

菊花茶 júhuā chá きっかちゃ(菊の花茶)

乾燥させた菊の花をお湯で煮出したお茶。目の疲れや頭痛、体の「熱」を取る効果があるとされ、夏によく飲まれています。やさしい花の香りに癒やされますよ。

甘み入りの菊花茶のペットボトル飲料も出ているようです。日本ではまず見たことがないですね。

柠檬水 níngméng shuǐ  柠檬茶 níngméng chá レモン水/レモンティー

暑い季節にぴったりのさっぱり系。柠檬水基本的に水に生レモンのスライスを浮かべるだけで、中国ドラマにもよく登場する定番飲料です。柠檬茶も人気のようで、ペットボトル飲料も各社が出しています。

啤酒 pí jiǔ ビール

缶タイプも増えていますが、中国では瓶ビールが定番青島哈爾浜ビールのほか、地元北京のすっきり飲み口の「燕京啤酒」も暑い季節にぴったり。各地の地ビールを楽しむのもおすすめ。日本料理店では生ビール(扎啤)を提供する店も多いです。

可乐/雪碧 kě lè / xuě bì  コーラ/スプライト

中国でも大人気。コーラは可口可乐kě kǒu kě lè(コカ・コーラ)と百事可乐bǎi shì kě lè(ペプシコーラ)も普通に手に入ります。雪碧とはスプライトのこと。これも普通に手に入りますよ。

冰咖啡 bīng kā fēi アイスコーヒー

以前はあまり飲まれませんでしたが、今はコーヒーブームでかなり普及。Starbucks(星巴克)はもちろん、Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が急速に店舗を拡大し、私もよく飲んでいました。

珍珠奶茶 zhēn zhū nǎi chá  タピオカミルクティー

台湾発祥で日本でも大人気のGong chaをはじめ、HEYTEA(喜茶)Chagee(茶百道)、北京発の手作りタピオカ店Zhuhui ‟pe̍h”珠荟啡など、色々なお店があります。

夏季菜品 夏のメニュー

北京の夏の定番は、夜遅くまで外でビールと串焼きを楽しむこと。私もよく夜の屋台に出かけました。その他、夏に食べていたメニューをご紹介します。

羊肉串 yángròu chuàn 羊肉の串焼き

新疆風の炭火焼きで異国情緒あふれるピリ辛味が特徴的。夏の屋台の定番で、スパイスのおかげで味にバラつきが少なくどんな場所で食べてもだいたい美味しいです。

爆肚 bào dǔ モツの湯引き

お酒のおつまみにピッタリの北京名物!コリコリとした食感で、ごまだれやにんにくダレでいただきます。老字号(老舗店)がたくさんあります

北京烤肉 běijīng kǎoròu 北京風焼き肉

特製タレに漬け込んだ牛肉や羊肉を炭火や鉄板で焼く、伝統的な北京式焼き肉です。もともとは北方の遊牧民族の食文化から生まれ、清の時代に北京に伝わり独自に発展したそうです。有名な老舗は「烤肉宛(牛肉)」「烤肉季(羊肉)」で、「南宛北季(南に宛、北に季)」と呼ばれているそうです。

「烤肉季」はイスラム由来の店で、清真(イスラム)の緑色が異彩を放つ。観光地の什刹海にもあるので、本場の北京烤肉をぜひ味わってみて。

炸酱面 zhá jiàng miàn ジャージャー麺

きゅうりや紫大根などの野菜を千切りにし、濃厚な肉味噌をのせた北京の代表的な混ぜ麺。冷やして食べることもあります。「方砖厂69号炸酱面」「新川凉面」「东来顺」など様々な店で食べることができます。

方砖厂69号炸酱面炸酱面は麺と具が別のお皿に乗ってくるスタイル。ご自分の好みの配合で食べてみてほしい。

酸辣汤 suān là tang サンラータン

胡椒と黒酢の酸っぱ辛さがクセになる定番の中華スープ。中国料理店のメニューにはだいたいありますが、私は近所の24時間営業の北京発祥中華料理店「金鼎轩」の酸辣湯にハマっていました。大きなお椀で出てくるので、数人でシェアするのがおすすめです。

雍和宫に住んでいた時、近くにあった「金鼎轩」。この店は24時間営業、眺めているだけで何故か元気に(笑)。一人でも気軽に入店しました。

西瓜 xī guā スイカ 哈密瓜 hā mì guā ハミウリ

中国の夏はスイカが大量に出回り、食事の締め友人宅マッサージ店でも必ず出てきます。ハミウリは新疆ハミ地区原産の甘く香り高いメロンで、果肉はオレンジ色や黄緑色。柔らかくジューシーです。

山楂片 shān zhā piàn サンザシチップス

酸味が強く消化を助けるサンザシを砂糖と一緒に煮て乾燥させた甘酸っぱい伝統的なおやつ。夏の食欲増進にぴったりで、子どもたちにも人気です。うちの子どもは今でも大好きで、時々中華食材店で買ってくると、一瞬で食べ尽くされてしまいます。

可爱多 kě ài duō コーン型アイス

中国のコンビニやスーパーで人気のアイスクリーム。種類が非常に豊富で、私の知る限りでも色々なフレーバーがあります。子供の同級生に同じニックネームの子がいた(笑)こともあり、特に思い入れがあります。

凉快的地方 涼しい場所

昼間は暑さのため室内にいることが多いですが、夜になると開放感を求めて外出する人が増えます。私もその一人でした(笑)。

在中庭用餐 中庭で食べる

北京の伝統的建築様式・四合院を改装したレストランは、鼓楼エリア雍和宫エリアに点在しています。中国料理だけでなく、東南アジアや欧米料理など様々ありますが、中庭がある店は断然外で食べるのがおすすめ。夜風を感じながらご飯を食べると、とっても贅沢な気分に浸れます。

その名の通り望京エリアにある「望京一号」は四川料理レストラン。新鮮な緑のままの花椒を用いたフレッシュな辛味の効いた料理がオススメ。
「悠航SLOWBOAT什刹海店」なら、什刹海を望みながらビールにハンバーガーをいただくこともできる。

屋顶酒吧 屋上バーで涼む

北京にはビーチがない代わりに、乾燥した気候を生かした屋上バーが豊富にあります。屋上バーは、ファッショナブルな街・三里屯や、四合院をリノベーションしたカフェやバーが連なる鼓楼エリアに多く点在します。あなたのお気に入りを探してみては?

三里屯にある「The Bell × TERRAZZA MARTINI」は開放的な気分になれそう。
鼓楼エリアにある「limestone vineyard」は、胡同の家々を眺めながらワインを頂くことができる。

その他にも、昼間は大型ショッピングセンターで涼んだり(去购物中心)、夕方になったらその辺をぶらぶら歩いたり(散散步)公園でのんびり涼んだり(去公园)して過ごしていました。

夏の北京市民はとてもリラックスしていて、私もつい、パジャマのような格好で気軽にぶらついていました。

暑さに無理に抗おうとするのではなく柳のようにしなやかに受け流すのが、北京の夏を乗り切るコツなのかもしれませんね。

おまけ あの人達は今…

北京では夏になると、胸元までTシャツをめくってお腹を出す「膀爷儿」「北京比基尼(ビキニ)」と呼ばれる男性を見かけるのは、ごく普通のことでした。
そんな彼らも、2020年以降は規制対象となり目立つ場所では激減したそうです。それでも、路地裏などではまだ見かけることがあるかもしれません。絶滅危惧種とも言える彼らを見かけたら、ぜひ生暖かい目で見守ってください(笑)。

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