中国に興味があって行ってみたいけれど、なんとなく「怖いかな?」とか「やっぱり中国語できないとダメ?」と思っているあなたへ贈ります。「中国語はそんなに得意ではないが興味だけはあった」アラサー日本女性が、中国に出会い、体当たりで過ごした北京での日々の記録。
はじめまして。「聴く中国語」編集部員のTと申します。
実は私にとって読者の皆様は、はじめましてというわけでもなく、「聴く中国語」本体やブログを通じて、皆様と触れているつもりでいます(笑)。㈱愛言社に入社して2年2ヶ月になります。
突然ですが、私は、2007年からコロナ禍直前の2019年までの13年を中国・北京で過ごしていました。こう話すと、大体皆さんから「え?!」「そんなに?」「何をそんな?」といった反応を返されます。そしてそこでの体験を少し話すと「面白い!」「もっと聞きたいw」と言ってくださる方も多いため、ここでその恥ずかし体験談を書くことにしました。
私はもともと中国との血縁はなく、完全に日本人家系の広島県出身者ですが、子供の頃から自分の住む地域が中国地方ということで「中国」という国に勝手に親近感を抱いていました。おばかですが本当の話です。というわけで何となくずっと中国を意識していたからか、中国に関わる出来事をよく覚えています。
まず、80年代後半でしょうか。地方の片田舎の小学校に、本場中国から太極拳の先生が指導にやってきたのです。校庭で全校生徒を前にピンクの表演服を着て悠々と太極拳を実演する先生。ほとんどの子どもは適当に取り組んでいたと思いますが、踊りや表現することが好きだった私は、この緩やかな動きはなんだ!とそれこそ真剣に取り組んでみました。すると不思議なことに子どもながらに手と手の間に「気」を感じることができました。これは面白体験として今も私の脳裏に焼き付いています。
同じ頃、叔父さんが香港出張のお土産をくれました。それは香港の夜景を移した小さなスライドで、その大胆にギラついたネオンの風景写真を覗いては、うっとりと異国を感じたものです。
またある時は、体調を崩して休んだ平日の昼間にこっそりと教育テレビで観た「兵馬俑」。埴輪よりリアルで、小学生の私にとって、大昔にこんな物を作れる国はきっとすごいに違いないと確信するのに足るものでした。NHKといえば名番組「シルクロード」もリアルタイム視聴ではないものの続編などが出て再放送されていた時代でした。
さらに、テレビで「中国に行ったことないのに中国語ペラペラになった小学生」がインタビューされているのを観ました。確か北陸の小学生で、住んでいる地域に飛んでくる中国のラジオを聞いているうちに話せるようになったとのことでした。その小学生のお姉さんの凄さと中国語の発音の綺麗さに一瞬で魅了されたのを覚えています。
そんなわけで私はなぜか中国を意識し続ける小学時代を過ごしますが、その後、コーラスやブラスバンド、絵画、映画といった別の表現方法に魅了され、しばらくは中国を忘れています。中国への興味の種を何年も寝かせることとなりますが、忘れていた頃、とあるきっかけでふと芽生えることとなるのです。
それはまた次の回で。
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