飛び込め北京~編集部員Tの北京生活13年~⑳北京での休日の過ごし方:週末1泊2日コース編

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以前、北京の休日を半日1日で楽しむコースで紹介しましたが、好評だったため、今回は週末1泊2日のオススメスポットをご紹介します。初秋の北京は天候が安定し、空気も澄んで、最も気持ちのよい季節と言われています。冬は寒く、夏は暑い北京では貴重な時期なので、私も必ずどこかに行っていました。北京は山に囲まれており、郊外に足を伸ばせば意外なほどに自然豊富。1泊すればしっかりリフレッシュできます。また交通の要所なので、近隣都市への旅行も気軽です。今回も私の体験談を交えながらご紹介します。

北京郊外(移動手段:バスや車など)

天然温泉・SPAでのんびり過ごす

筆者は温泉&入浴施設が大好き。東京に住んでいた頃も、温泉や銭湯に足しげく通っていました。渡航前は「北京に温泉はあるの?」「衛生面はどう?」と心配していたのですが、調べてみると意外にも多くの施設があり、衛生面もしっかりした場所があることが判明しました。

最初に訪れたのは、ゴールデンウィークに会社の同僚たちと出かけた「小涌谷温泉」

元プロスポーツ選手の中国人オーナーが、日本の箱根・大涌谷にあやかって名付けた施設でした。予約すると市内まで貸切バスを手配してくれ、それに乗って郊外へ。1時間ほどで山の中に到着しました。

肝心の温泉は5メートル四方の湯船が一つ、29度で湧き出したお湯を温めたもの。ぬるめのお湯でしたが、ちゃんとした硫黄泉で、じっくり浸かると体の芯から温まりました。

宿泊は離れの四合院で。8人で男女別の部屋に分かれ、初体験のオンドルの温かさが印象的でした。翌日は近くの山を散策し、北京の自然を満喫できた休日でした。

その後も友人と郊外の温浴施設へ行きました。36種類の温浴スポットがある巨大版ラクーアのような場所で、水着着用で子連れや年配客も多く、広々とした屋内空間をのんびり楽しめました。

以下は2025年現在確認できる温浴施設です。

  • 山温泉(昌平区)
    ナトリウム-炭酸水素塩泉。皮膚病、リウマチ、神経痛、美肌に効果。
  • 南宮温泉(丰台区)
    重炭酸ナトリウム泉。筋肉痛、関節痛、慢性皮膚炎、美容に。
  • 龙脉温泉(昌平区)
    リゾート型ホテル併設。疲労回復、皮膚浄化、冷え性改善。
  • 山温泉(昌平区)
    含鉄-炭酸水素塩泉。貧血や冷え性、婦人病に。
  • 汤悦温泉汗蒸馆(朝陽区雅宝路)
    ロシア人街近くのスパ。洗浴や汗蒸、玉石浴など設備充実。人工温泉のため泉質の特徴は特にありませんが、リラクゼーションには最適。
家族でよく通っていた「汤悦温泉汗蒸馆」。青いタイルが清潔感あふれる湯船です。
内装デザインは、日本人のいるデザイン事務所が関わっているとのことで、日本を感じさせるデザインが随所に散りばめられています。
受付もしっかりあります。
中に入ると男湯と女湯に分かれています。
自由に出入りできるシアタールーム。人を駄目にするソファが大量に置かれ、暗い空間で眠ってしまいそう。
籠もれる本棚スポットも点在。隙間で寝ることもできる造りになっています。
館内着でのんびりできるスポットが沢山。大きな煎餅布団?に寝そべったりもできます。

興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

歴史ある「川底下村」を訪れる

「北京郊外に面白い名前の古い村があるらしい…」という噂を聞きつけ、友人と「川底下村」という場所に行ったことがあります。地下鉄一号線の西の終点(当時)「苹果园」駅から路線バスに乗ること3時間(!?)、着いたのは標高約650mの山あいの村。当初日帰りのつもりだったのですが、雨天だったのもあり疲れたので、そのまま民宿に泊まることに。

川底下村(爨底下村)は、明代初期から600年続く古村落。その昔は、北京から山西省に行く唯一の道が通っていましたが、その後別のルートができて取り残されたため、明代から清代にかけて建てられた四合院が今も74棟・689室以上良好に保存されているそうです。現在では、北京市文物保护单位、全国重点文物保护单位などに指定され、「中国歴史文化名村」にも選定されています。家屋のほとんどが民宿や食堂になっており、安く宿泊できます。少し遠いけど、古い村が気になる人にはオススメです。

当日はあいにくの雨模様。足場が悪いので散策するより民宿でのんびりすることに。
ご飯をいただいた民宿の中庭。素朴で美味しかった。
一泊30元(当時約450円)の部屋。ベッドが硬くて何度も起きる羽目になったのも今ではいい思い出。

郊外の別荘で自然を満喫

またある時は、夫の仕事関係者に誘われて北京郊外の別荘へ。近年は、週末になると郊外の高速が渋滞するほど、別荘需要が高まっています。2階建てのコテージが並び、宿泊は一グループ一戸に振り分けられるという贅沢さ!私たち三人家族で一戸に宿泊することになりました。共有スペースにはバスケットコートや食堂もある広々とした空間です。羊の丸焼きをいただき、夜はオンドルの効いた部屋でぬくぬく。裏山では木のブランコや迷路遊び、丘の上で遠吠えする野犬にドキドキ……市内では味わえない解放感を楽しめました。

2階のベッドルームの大窓からは北京郊外の山が見渡せます。
豪快な丸焼き風景。この夜みんなでいただきました。
近くにはきれいな小川が流れていて、ここが北京だということを忘れさせます。
広々としたキッチン付き。2階にベッドルームとバスルームがあり、機能的でした。
とても気持ちよかったのですが、気温差にやられこの後子どもは風邪を引きました(汗)

周辺都市(移動手段:高速鉄道など)

異国情緒あふれる「天津」(高速鉄道で片道約30分)

北京南駅から高速鉄道に乗って約30分。天津は、北方の代表的な港湾都市で、歴史と異国情緒が色濃く残る街です。19世紀後半、欧米や日本など複数の国が天津に租界を持ち、近代建築が集中しました。五大道というエリアには、英国風・フランス風など多彩な洋館が並び、まるで欧州に行ったような気分になります。

イタリア風情区で異国情緒あふれるレストランに入るもよし、名物の包子・天津狗不理包子に舌鼓を打つもよし、巨大な麻花におののくもよしです。北京ではあまり味わえない新鮮な魚介類を堪能することもできます。北京から近いのにまるで違う魅力が詰まった海辺の都市は、気分転換したい時によく遊びに行っていました。

天津名物・麻花は香ばしいおやつ。お土産にいかが?

天津へのアクセス

北京南駅はまるで空港のような広さ。この駅からは、天津のほか、済南、上海、合肥、福州などにも行けます。天津へは片道54.5元~。中国のスケールの大きさを感じられる場所です。

皇帝の避暑地「承徳」(高速鉄道で片道約2〜3時間)

承徳は北京の北東、河北省の山間に位置する都市で、18世紀、康熙帝が暑い北京を離れ夏の政務を執るために建設した「避暑山荘」がある場所として有名。ここは現在、世界文化遺産にも認定されています。その他にも、皇帝がチベットやモンゴルの諸部族を迎えるため建てたラマ教寺院群「外八廟」があります。歴史好きな人にはオススメですし、北京より涼しいので残暑の厳しい時期に向かうのもオススメです。子連れの方ものんびり散策できると思います。

避暑山荘はゆったりと散策するのにピッタリの場所。

私は子供を連れて日帰りのバスツアーで行きました。北京から行きやすい避暑地なので、多くのツアーが組まれています。日帰りもできますが、せっかくなら一泊したほうがリフレッシュできるかな?と感じました。

承徳へのアクセス

承徳に行くには、観光ツアーバスのほか、北京朝陽駅から高速鉄道が出ているそう。片道88元~。

中国古代王朝の古都「安陽」(高速鉄道で片道約2時間半)

安陽は今回ご紹介した中ではマイナーな地かもしれませんが、河南省の北部に位置する歴史都市で「中国八大古都」の一つに数えられる長い歴史を持っています。

3,300年前の殷王朝最後の都・殷墟が置かれた場所で、漢字の起源と言われる甲骨文字の故郷でもあり、世界文化遺産に登録されています。なので、もちろん殷墟遺跡に行くことをおすすめします。私は友人たちと行ったのですが、比較的人が少なく、かつ中国の歴史を肌で感じられる場所で、行ってよかったです。考古学好き、漢字の歴史に興味がある人には是非足を運んでいただきたいです。

殷墟遺跡内にある甲骨文字をテーマにした「碑林」では、出土した甲骨文字の拓本がずらり。

安陽へのアクセス

安陽へは北京西駅から(ユニークな駅も必見!)。片道178元~。

海とビールと洋館の「青島」(飛行機で片道約1時間、高速列車で約4〜5時間)

山東省東部、山東半島の南岸に位置する港町で、ビールと海、そしてヨーロッパ風建築が調和するリゾート都市です。

さまざまな中国ドラマの舞台にもなっているドイツ租界の街並みは本当に美しいので是非訪れてほしいです。そして、言わずとしれた、青島ビール博物館もあり、歴史に触れつつ製造工程を見学し、出来立てビールを試飲できます。その他にも、街を歩いているとビールの量り売りをしてくれる店がたくさんあるので、ビニールに入れた生ビール飲みながら散歩することもできます。

青岛啤酒博物馆では、ビールや青島ビールの歴史を学んだ後、製造ラインを間近で見て、最後にはホールでビールをいただくことができます!

私は同僚たちと行ったのですが、海鮮をいただいたりビール工場を見学したり、生ビールを飲みながらほろ酔いで散歩するのがとっても楽しかったです。海とビールを求める人には、青島がおすすめです!

青島へのアクセス

開放感のある青島駅の高速鉄道待合室。北京南駅から片道314元~。私たちはギリギリでチケットが取れず、ビジネスクラス(商务座)に乗りましたが、それでも1008元と日本の鉄道に比べたら安価に感じました。

まとめ

北京から少し足を延ばすだけで、温泉、古村落、別荘、そして近隣都市への小旅行と、驚くほど多彩な週末1泊2日旅が楽しめます。次の週末は、あなたも北京から小さな冒険へ飛び出してみてください。

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