お風呂で中国語!

七海先生の中国語あれこれ

中国語語学誌『聴く中国語』では中国語学習にまつわるお話をご紹介しています。

今回は日中通訳・翻訳者、中国語講師である七海和子先生が執筆された、お風呂で中国語!というテーマのコラムをご紹介します。

執筆者:七海和子先生

日中通訳・翻訳者。中国語講師。自動車・物流・エネルギー・通信・IT・ゲーム関連・医療・文化交流などの通訳多数。1990年から1992年に北京師範大学に留学。中国で業務経験あり。2015年より大手通訳学校の講師を担当。

 皆さん、こんにちは。七海和子です。

冬本番、湯船につかるのが楽しい季節になりました。皆さん、長風呂は中国語学習のまたとない機会なんです!

中国語に限らず、語学の上達で特に重要なのは、「声に出す」ことだと思います。日々の学習の中で、黙読したり聴いたりする人はとても多いのに、「声に出して練習」している方は意外と少ないのがちょっと残念。忙しい毎日、通勤通学の隙間時間を利用して勉強されている人もいるでしょう。人のいるところで、声を出すのははばかられますよね。それに、練習している声を人に聴かれるのが苦手、という人もいるでしょう。声を出す練習をする方が少ないのは、そんなことも原因なのかな、と思っています。

そこでお風呂!人目を気にする必要もないし、とにかく音響効果が抜群なので、気分よく声出し練習ができますよ!

まずは、あったら便利なグッズを紹介しましょう。スピーカーです。「風呂場で使えるスピーカー」と検索すれば、Bluetooth対応モデルでも、3000円以下のものが多く出てきます。これがあると、浴室でも音がはっきり聞こえて便利なんです。

お風呂で練習できることはいろいろありますが、まずはシャドーイングなどはいかがでしょう。スピーカーをBluetoothで接続して練習したい音源を流します。ここで大切なのは、「自分が100%理解できる短い音源」を選ぶことです(音源は連続再生)

お風呂では体を洗ったり、シャンプーしたり、やることがいっぱい。「ながらシャドーイング」するには、100%理解できる音源でないと難しいですし、なんと言ってもお風呂はリラックスする場所。音を追うのが簡単な音源を、リラックスして、発音や声調に注意しながら楽しくシャドーイングするようにしましょう。仕上げは湯船につかりながら、自分の声を確認するようにシャドーイングするとよいですね。

中国語や日本語の単語やフレーズを聴いて、瞬時に意味を答える練習(この方法は「クイックレスポンス」と言います)もお風呂場で行うのに向いています。単語を学ぶための参考書なども販売されていますので、これらを利用するとより効率的ですね。

 シャドーイングもクイックレスポンスもやりっぱなしにしないことが大切です。翌日でもかまわないので、通学・通勤時間などのちょっとしたスキマ時間を使って、できなかったところをチェックするようにしてくださいね。

お風呂時間を、朗読の練習やある程度長い文章の暗記に使うのも効果的。テキストをお風呂場に持って入ると濡れたり、湿気でテキスト自体がボワボワになったりしてしまうので、該当する箇所をプリントアウトしたり、手書きした紙を持ち込むのがおすすめ。私はこの練習は湯船につかっているときに行うことが多いので、スクリプトを見やすい場所に貼り付けて練習します。持ち込んだ紙の一部をちょっと濡らせば、簡単に壁面に貼り付けることができます。お湯につかりながら、声を出すのは気持ちいいですよ。朗読の場合は、もし音源があれば事前に聴いて、感覚をつかんでからお風呂で自力で読んでみるのもよいですし、スピーカーから音源を流し、一時停止機能を使って段落ごとに切って朗読してもいいですね。

 この時に気をつけるのは、聴き手を意識するように朗読すること。棒読みにならないようにしましょう。読む速度にちょっと緩急をつけたり、間を取ったりすることで聴き手にわかりやすく、内容が伝わりやすい朗読になるでしょう。そんなところも声を出しながらご自分で考えてみると楽しいですね。でも、あまりに夢中になってのぼせないように注意してくださいね!

 「塵も積もれば山となる」なんてことわざがあります。お風呂の時間はだいたい20~30分くらいでしょうか?この20分を中国語に充てたとして20×350日=7000分≒117時間になります(たまには音楽を聴いたり、ぼけーっとしたりしたいでしょうから、350日計算にしました)。お風呂の時間をちょっと工夫するだけで、中国語の声出し練習を117時間も確保できます!すごくないですか?

 「中国語がもっと話せるようになりたい!」って思っても、日本で生活していれば、どうしても日本語中心の生活になってしまい、なかなか中国語を口にする機会は訪れないですよね。そんなときこそ、お風呂の時間!皆さんもこの時間を有効に使って、中国語をがんがん口にしてください!お湯に浸かると体が温まり、血管が拡がって血の巡りがよくなるとか。それにより、全身の隅々まで酸素や栄養分が運ばれるそうなんです。それに、血の巡りがよくなると、体に溜まっていた疲労物質や老廃物の回収が促進されるそうですよ!

この冬、一緒に健康と美肌と中国語力を手に入れましょう!

それでは、また次回!

 


今回紹介した七海先生のコラムは『聴く中国語』2025年12月号に掲載しております。

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