中国語語学誌『聴く中国語』は毎月、日本で活躍している中国の有名人や日中友好に貢献している日本人にインタビューをしています。
今回は、日中両国の映画・ドラマ・舞台で活躍する女優・李丹さんにインタビュー。話題を集めたNHKの連続ドラマ『東京サラダボウル』にもご出演されていた李丹さんですが、日本で女優として活動を始めたきっかけとは?これまでの華やかなキャリアや、作品と向き合う際に大切にしていることなど、たっぷりお話を伺いました!
――李さんはこれまで日中双方の映像作品で、さまざまな印象深い役柄を演じてこられました。李さんのご経歴に関心を持っている読者も多いかと思います。まずは、これまでの歩みについて教えていただけますか?
ハルビンの出身の両親のもと、私は桂林で生まれ育ちました。12歳のときに広西芸術学院に合格し、舞踊を学びました。中国の古典舞踊や民族舞踊を専門にした後、広西省の歌舞団に配属され1年在籍しましたが、すぐに留学しました。1986年に日本に渡り、最初は島根大学の法文学部で日本語を学びました。1学期通ったあと日本大学芸術学部演劇学科に入学し、西洋舞踊を専攻しました。4年間学び、その後、俳優としての活動を始めました。

――なぜ俳優という道を選ばれたのでしょうか?
ずっと舞踊を学んで大学を卒業した後、1学年下の中国人留学生の女の子が、私に内緒で私の分もオーディションに申し込んでくれたんです。それが、日本のオンシアター自由劇場の舞台劇『上海バンスキング』でした。ありがたいことにそのオーディションで私が選ばれたんです。
舞台の後、芸能事務所に所属することになりました。ちょうど90年代初頭は日本に留学する中国人が増えた時期でもあり、中国人を題材にした映画やドラマが増えました。そうした流れでチャンスに恵まれ、見出してくれた方々との出会いもあって、今の私があると思います。自分は、いわゆる野心のあるタイプの女優ではまったくなくて、ただ運が良かっただけだと思っています。

――これまで出演された作品の中で、特に印象に残っているものがあれば教えてください。
舞台のあと出演したのが『女優霊』という作品でした。私はこの作品で幽霊の役を演じました。そこで感じたのは、私にとって演技とは、現場や作品との「魂の交わり」のようなものだということです。
その後、初めてメインキャストとなる映画『不法滞在』に出演しました。これは、入国管理局の職員と不法滞在の女性との恋愛を描いた作品です。


――これまで演じてこられた役の中で、難しかった役、印象に残っている役はありますか?
『日本黒社会』で演じた役ですね。初めての衣装合わせの時、用意されていた衣装がしっくりこなくて、まるで「服に着られている」感覚だったんです。役者が衣装合わせに臨むときには、その役になりきっていなければいけないと思っています。でも当時の私は、まだその役に完全に入り込めていなくて、かなり焦りました。そこで思い切って監督に「髪を7色に染めてもいいですか?」と相談したんです。

それから私は、新宿アルタのあたりに通って、毎日、コギャルたちの様子を観察しました。二回目の衣装合わせの時にはもう髪は7色、眉毛はすっかり剃ってしまって。ちょうどその時、共演者の竹中直人さんも現場にいらっしゃり「わあ、おもしろいね。誰?プロフィールを見せて」とおっしゃったんです。私が過去に『女優霊』に出演したことを知り「あの映画、好きだったんだよ」と興味を持ってくださり、それがきっかけで今でもお仕事をさせていただいています。

――最近出演されたドラマ『東京サラダボウル』も高く評価されていますね。李さんが演じた役柄について、少しご紹介いただけますか?
このドラマには中国人の登場人物がたくさん出てきますが、私は第7話から第9話まで出演しました。演じたのは「林夢琪(リン・モンチ)」という女性です。

彼女は人生の挫折を経験し、社会の底辺でもがきながら懸命に生きている女性です。本音は決して口にしないし、自分の弱さも絶対に見せない。きっと彼女は、過去に裏社会や犯罪組織に、借金など、さまざまな弱みを握られていたのでしょう。それでも最後に警察に真実を打ち明けたように彼女にも正義感があるんです。だからこそ、この人物を単純に「善人」や「悪人」として描くことはできません。ただ、どうにもならない現実があっただけ。人生って、1+1=2のように単純ではありませんよね。

――印象に残っている中国での出演作はありますか?
中国で最初に出演したのは『宮廷の諍い女』でした。私は主人公・甄嬛(シン・ケイ)の母親役を演じました。最初にその役をいただいたとき、正直、どう演じればいいか分かりませんでした。とても型にはまった「賢妻良母」、「貴婦人」という人物だったからです。でも実際に演じてみると、多くの方から良い評価をいただけて、嬉しかったですね。



俳優
李丹
プロフィール
出身地:中国・桂林
特技:中国舞踊、モダンバレエ
語学:日本語、中国語(北京、広東)、英語
趣味:読書、散歩、旅行
代表作:映画『不法滞在』、映画『日本黒社会』、ドラマ『東京サラダボウル』、舞台『浅草パラダイス』など
今回のインタビューの続きは月刊中国語学習誌『聴く中国語』2025年9月号に掲載されています。さらに詳しくチェックしてみたい方は、ぜひ『聴く中国語』2025年9月号をご覧ください。

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