『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第18回「中国での映画鑑賞事情とおすすめ映画」。
中国での映画鑑賞事情
休日の過ごし方で上位に挙がるものといえば映画鑑賞だろう。私も休日、上海の映画館によく足を運ぶので、今回は中国の映画鑑賞事情と、最近観たおすすめの映画について紹介したいと思う。
アプリからチケットを購入
中国で映画を観る際は、オンラインでチケットを購入する。私はいつも“猫眼”というアプリを使ってチケットを購入している。猫眼では今上映中の映画やその映画の評価、上映映画館と現在地からの距離が一眼でわかるようになっている。
チケットの購入方法
チケットの購入方法は、観たい映画を選択し、映画館と時間を選択、座席を選択して支払いに進むという非常にシンプルなやり方だ。
日本のチケットの料金はサービスデーなどの特別な条件がなければ基本的に固定の料金だが、中国のチケットは買うタイミングや上映日時、上映場所によって変わってくる。30〜80元くらいの値段の幅があるため、事前に調べてから行くのがマストである。
チケットの発券
チケットの発券も非常に簡単で、上映映画館に着くと発券機があるため、発券機にQRコードをかざすだけでチケットが出てくる。そのため、ギリギリに映画館についても焦ることなく発券することができる。支払いまで事前に済まして発券するだけなので、人が並んでいないのも何気に嬉しいところである。
中国の映画は、中国語の映画でも字幕がついているため中国語学習者にとっては非常にありがたい。
鑑賞マナーの違い
日本の映画館では、上映中の電子機器の使用は禁止だが、中国では皆普通に使っており、初めて映画館へ行った際は驚いた。店外商品の持ち込みもしており、日本とは鑑賞マナーが違うのが特徴だ。
中国の映画館で一番驚いたことは、マッサージ機能がついた座席があることだ。初めて映画館へ行った際、たまたま自分の選んだ座席がマッサージ機能付きで、映画が始まると同時に動き出し大変驚いた。マッサージ機能付きの座席の大半はお試しで少しの間稼働してくれる。もし足りない場合は、QRコードを読み取りお金を払うと、好きなだけマッサージしてくれる。リラックスして映画が観られるため大好きな機能だ。 中国の映画館ではエンドロールは最後まで見ない。映画が終わり、エンドロールが始まるや否や、スクーリン内の照明がつき皆帰り出す。私は今までエンドロールは最後まで観る派だったが、最近は照明がつくと同時に帰るようになった。
最近のおすすめ映画
最近上映された中国映画で一押しの映画がある。日本映画のリメイク作品「热辣滚烫」だ。自信がなく実家暮らしで定職につく事もせず自堕落な生活を送っていた一人の女性が、自分の道を見つけるために自分と戦うお話だ。主演・監督を務めた芸人の贾玲が役作りで50キロも痩せたことがバズって話題を呼び、劇中でも彼女が痩せていく過程を観ることができる。そこももちろんすごいのだが、役の中で彼女が最後まで諦めず戦い続ける姿に胸を撃たれる非常に良い作品だった。 中国語を学んでいる方やお仕事で長期滞在されている方には、手頃な娯楽として映画鑑賞を勧めたいと思う。
本コラムは『聴く中国語』2024年6月号に掲載しております。
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