『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第20回「「五一労働節」の過ごし方in上海」。
中国のゴールデンウィーク「五一劳动节(労働節)」が5月1日から始まった。連休最終日の5日までに、概算値で延べ13億6,000万人が移動した大型連休だ。昨年はどこに行っても人、人、人でろくに観光ができなかったため、今回私は上海に留まり友達と過ごすことにした。
労働節初日の1日、友達とランチの約束をしていたため曲阜路地铁站から徒歩3分ほどの距離にある「济州食堂by钟路商会」という韓国料理を訪れた。ここは上海静安大悦城というショッピングモールの中にある店だ。普段このショッピングモールにはお客が全然いないのだが、この日は人で溢れかえっており、いつもと違う光景が広がっていた。上りのエスカレーターに乗った際、あまりの人の多さにレストランでも並ぶことを覚悟していたが、幸いこの店は2組しか並んでおらず、すぐに席に着くことができた。
食べ終えた後、好奇心から南京东路の方へ行ってみることにした。行ってみるとたくさんの人で溢れかえっていた。もはや人の頭しか見えない状態になっていた。「昼過ぎでこの賑わい様なら夜は大変だね」なんて話しながら歩いていると、美味しそうなパンケーキ屋さんに寄ることにした。お店は少し狭い路地に入ったところにあったため、想像よりは並んでいなかったがパンケーキを作るのに30分待つといわれた。30分ならまだ待てるかなと、外の席で座りながらパンケーキを待つことにした。
友達のAちゃんが「待っている間にトイレに行ってくる」と言ってトイレに行ったが2、30分経っても戻って来なかった。Aちゃんに連絡してみると、トイレが大行列で戻れなさそうだと返信が来た。結局Aちゃんは一時間後に戻ってきた。話を聞くと、人が多すぎてどうしても我慢できない人たちが、男子トイレに入っていき、男子トイレに入ってきた男性に「ここの男子トイレはもう女子トイレと化したから別の階に行ってくれ」と言っていたそうだ。流石に人が多すぎたのでさっさと切り上げ学校付近に戻り、3人でビリヤードを打ちに行った。
その後数日は、映画を見たり友達の部屋でゲームをしたり、近所を散歩したりと、できるだけ人混みを避けてまったりと過ごした。
連休最終日、友達に今日はみんな帰る日だろうから人も減っているはず、だから一緒に遊びに行こうと誘われたので出かけることにした。元々「銀塩市集」というビンテージマーケットに行こうと話していたが、天気予報を見たら雨予報だった。結局city walkをすることにした。よくREDで見かけていたHAUS NOWHEREというところに友達が行きたいと言うので行ってみることにした。
行ってみると写真を撮るためだけの場所で特に見る所もなかったので何枚か写真を撮り、すぐに出て、そのまま淮海路を散策することにした。
上海の人気観光スポットの一つであるこの繁華街は、たくさんのショップが並ぶストリートで多くの人がここでcity walkを楽しんでいる。友達の言う通りやはり連休最終日はそこまで人がおらずゆっくり色々なお店を見て回ることができた。やはり、上海も、旅行や観光地は祝日ではない時に行くべきだなと痛感した。五一労働節の教訓でした。
本コラムは『聴く中国語』2024年8月号に掲載しております。
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