今回は声優で翻訳家である白伊先生が、2023年に『聴く中国語』で中国のサブカルをテーマに執筆された「どこまで知ってる?サブカルチャイナ」というコラムをご紹介します。
“次文化”=サブカルチャー
“次文化”という言葉はご存知ですか?副次的な文化と書いて、サブカルチャーを指す言葉です。
コアでマニアックな少数派に擁護されている文化であるイメージが強く、移り変わりやすく、低俗であると誤解されることもしばしばあります。
天動説がまかり通っていた15世紀において、地動説はまさにサブカルチャー的な存在でしたが、時を経てそれは周知の事実、常識へと姿を変えました。
中国にも、様々なサブカルチャーが存在し、舶来物から固有種まで様々な物があります。
サブカルと一括りされてもそのジャンルは実に多種多様で、それぞれ独特な表現や用語が用いられています。それらは時にはジャンルの壁を越えてバズ(※)り、多くの人に受け入れられることもあります。
※バズる:SNS上で短期的・爆発的に話題になる
ジャッキーチェンのファン?では“duang”はご存知でしょうか?
アイドルが好きなら“团推”と“单推”、どっちがお好みでしょうか?
風流な漢詩を読みたいなら“同袍”にも注目してみてはいかがでしょうか?
たかがサブカルチャー、されどサブカルチャー。様々な新しい言葉を生み出し続けているその力を、侮るなかれ!
中国のサブカル用語をもっと知ろう、サブカルチャイナ!
例文①
部分喜欢次文化的粉丝们,总在虎视眈眈地寻找向更多人安利自己所爱的机会。
一部のサブカル好きのファンは、いつも如何により多くの人に自分の愛する物を布教していくかと、虎視眈々と隙を狙っている。
※安利:宣伝する、薦める、(押しの)布教
例文②
然而,部分喜欢次文化的粉丝们不喜欢安利,他们不想被三脚猫搅混了自己的圈子。
しかし、一方で一部のサブカル好きのファンは布教に消極的で、半端な物好きにコミュニティを汚されたくないと考えている。
※圈子:コミュニティ、ジャンル
例文③
圈子里常见“pyq(朋友圈)”、“xswl(笑死我了)”、“yyds(永远的神)”,是因为使用隐语能带来安全感和圈内认同感。
コミュニティ内に「pyq(we chatのモーメンツ)」「xswl(死ぬほど笑った)」「yyds(永遠に崇拝する神)」等が多用されるのは、隠語を使うことで安心感や帰属感を感じられるからだ。
※隐语:発音をもじったり、ピンインで略語を作ったりしてできた言葉。流行りすぎて殆どは隠語ではなくなったが…
今回紹介した白伊先生のコラムは『聴く中国語』2023年7月号に掲載しております。
コメント