粽(ちまき)から見る中国

中国文化

2023年の端午節は6月22日でしたね。

端午節といえば…粽(ちまき)

皆さん、粽を食べましたか?

 

端午節には欠かすことのできない粽。

実は粽はとても長い歴史があり、また現代においても新しい粽が次々に登場しています。

今回は粽にまつわる話題をいくつかご紹介。粽を通して、中国を覗いてみましょう。

 

どうして端午節に粽を食べるの?

端午節は中国の三大民俗祭日の一つで、伝統的な祭日です。端午節には粽を食べたり、竜船を漕いだりするなどの風習があり、今日まで伝わっています。これらの風習は、大昔の詩人屈原(qū yuán)と深い結びつきがあるそうです。(※諸説あり)

屈原は紀元前340年、戦国時代の楚の国に生まれました。国のためにわが身を犠牲にして働きましたが、当時の強大国・秦への対応を巡って周囲と対立し、結果国を追われ、最期は川に身を投じて亡くなってしまいました。

屈原の正義感や愛国心を慕っていた民衆は、彼の死を聞き嘆き悲しみました。

舟を競って救いにかけましたが失敗し、屈原の遺体が川の魚に食べられないように、ちまきを川に投げ込みました

屈原が亡くなったのは陰暦の5月5日(端午節)だったため、以来この日に川に船を出したり、粽を食べたりする習慣が生まれました。このように、愛国者・屈原の死を悼んだ民衆の心情や行為が今日まで伝わる端午節の風習の起源になったと言い伝えられています。

 

代表的な粽6選

中国には様々な粽がありますが、まずは中でも代表的な5つをご紹介します。

見ているだけでお腹がすいてしまいます…

 

小枣粽子 xiǎozǎo zòngzi

ナツメ入りのちまき

鲜肉粽子 xiānròu zòngzi

豚肉のちまき

咸蛋黄鲜肉粽子 xiándànhuáng xiānròu zòngzi

塩漬け卵と豚肉の黄身のちまき

八宝粽子 bābǎo zòngzi

五目ちまき

豆沙粽子 dòushā zòngzi

小豆あんのちまき

皆さんはどれが一番気になりますか?いろいろな味を楽しんでみましょう~

 

 

粽は甘い?しょっぱい?中国人を二分する話題

上で紹介したように、中国には様々な粽があります。甘めの味から、しょっぱめの味まで。

そこで毎年端午節になると起きるのが「粽は甘いか?しょっぱい派か?」をめぐる論争です。

一般的に、北方では棗を入れた甘い粽がメインなのに対し、南方の粽の種類はより豊富で、小豆や肉、ハム、卵の黄身餡などを使い、醤油・塩味をベースであると言われています。

 

「端午節 甘いかしょっぱいか 決着」の地図

 

皆さんは甘い派かしょっぱい派、どちらになりますでしょうか?

 

現代風の粽

長い歴史の中で人々に愛されてきた粽。

現代において、様々なユニークな粽も登場しているんです。

その中のいくつかをご紹介します。

 

冰粽 bīng zòng

もちもちの透明の皮には珈琲餡や桃味の餡が入っており、冷やして食べます。

食感は日本の水まんじゅうにも少し似ているそうです。

水晶粽 shuǐ jīng zòng

もち米で作るのは普通の中華ちまきと同じなのですが、重曹を使うことで透明感あるあめ色とゼリーに似た食感を作り出します。つやがあり、見た目にも涼しげで、ゼリーのようにつるんと入るので、暑い時期には冷やして食べるととても美味しいです。

星巴克粽子 xīngbākè zòngzi

中国でも人気があるスターバックス(星巴克)。なんとスタバでも今どきの粽が作られているんです。

中身はコーヒー風味のものから、フルーティなものまで…おしゃれすぎます。

いかかでしたか?端午節はもう過ぎてしまいましたが、粽を「まだ食べていない」、「また食べたい」と思った方、ぜひこの機会に買って食べてみてはいかかでしょうか?きっと奥深い粽の世界を感じていただけるはずです。

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