『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。
今回は第五回「想定外のビザ申請」。現地に留学に行くには必ずしなければならないのがビザ申請。その手続きでいったい何があったのでしょうか?お話を伺ってみましょう。
ビザ申請までのいろいろ
2022年8月、在日中国大使館が日本人留学生の入国に必要なビザの申請を開始するという発表をし、このタイミングで多くの日本人留学生が中国へ出国した。それにもかかわらず、なぜ私が日本に留まっていたのかというと、『二十歳を祝う会(成人式)』に参加するためである。ビザ発給再開の発表があった時期にはもうすでに振り袖を選び、買ってしまっていたため、人生で一度きりのイベントなのでせっかくだしもったいないなと思い、二十歳を祝う会に参加することを決めていた。そのため、成人式が終わり、新学期が始まるタイミングで中国に行こうと計画を立て、前期での出国を見送っていた。
現在ビザ申請に必要な書類は『外国留学人员来华签证申请表JW201/202の原本,入学通知書もしくは在学証明・返校同意書・新型コロナウイルスのワクチン接種証明のコピー』である。12月に学校側に来学期から中国に行くためビザの申請に必要な書類を送ってもらうよう伝えた。すぐに返事とともに書類が送られてきたのだが、なぜか『外国留学人员来华签证申请表』(以下JW202)のみ明らかにスマホで撮ったような写真で送られて来ており、流石にこれは違うだろうと思い友達に確認したところ、その子もJW202がスマホで撮った状態で送られてきていたようで「学校側がそれで送ってきたってことは大丈夫なのでは?とりあえずこれを印刷して持っていこう。」という話になった。しかし、やはり怖かったので学校側にメールを送り、JW202は送られてきた写真を印刷して持っていけばいいのか聞いたところ、それで問題ないと言われた。まあ学校側がそう言うならそうなのかと思い、そのままビザセンターへ向かった。がしかし案の定それではダメだったようで、これでは申請を受け付けられないと言われた。学校側からこれでいいと言われたと伝えると、学校側が間違えているのですぐにメールで伝えて原本を送ってもらい、その後でまた予約を取り直して再度来て欲しいといわれた。
言われた通り学校側にメールでやはり原本ではないとだめだったことを伝え、すぐに原本を送ってもらうように伝えた。学校側もすぐに対応してくれて、次の日には郵送したという内容の連絡が来た。結局JW202が家に届いたのは12月15日ごろだったのだが、テスト1週間前を切っていた。テスト勉強に追われていた私は、とりあえずテストが一段落してからまた準備しようと思い、すぐにビザセンターへ行かなかった。
突然のビザ発給停止
年が明け、テストが終わってすぐにビザセンターへ行く予約を1月12日に入れ、ビザセンターへ再度出向くはずだった。しかし2023年1月10日、突然中国当局から日本人と韓国人へのビザ発給停止が発表された。急いでビザセンターへ問い合わせようと思ったが、次の日にアルバイトのシフトが入っており、問い合わせる時間がなかったため友達に問い合わせを託した。
休憩の際にどうだったかを確認したところ、返事は「終わった。無理でした。全部のビザが対象でビザセンターに行ったところで無駄だって」。対面授業が楽しみで、楽しみで仕方なかった私たちは非常に落ち込み「次の学期もリモートか…」「モチベーションがもうない…」と嘆いていた。
念のため、先生に日本人へのビザ発給停止の影響で中国に行けなくなってしまったことを伝えると「ニュースを見たよ。コロコロ状況が変わるから一時的なものだと思う、今はただ我慢するしかない。」と返事が来たが、とはいってもまたしばらく行けなくなってしまうのだろうなという感じだった。
ビザ発給再開
しかしこの私の予想は嬉しいことにはずれ、1月29日、在日本中国大使館が日本人に対する中国への渡航ビザの発給を再開すると発表した。ビザ発給再開のニュースをうけ、再度ビザセンターへ行く予約を取り、ビザを申請し、現在ビザが降りるのを待っている状態だ。このまま何事もなくうまくいき、ビザが降りれば、3月にはついに中国へ出国できるだろう。これからは、中国の現在の様子や現地での大学生活の様子などをお届けしたい。
次回 渡航の話
本コラムは『聴く中国語』2023年5月号に掲載されています。中国大接近「三体」や三遊亭楽生さんのインタビューなど、見どころ満載です。ぜひチェックしてみてください!
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