很有意思!日中習慣の違い ~子供&高齢者編~

中国文化

「同じ東洋人だから通じ合えるはず!」と日本人が気軽に中国に行ったら様々なカルチャーショックを受けます。実際、中国に派遣された海外駐在員が鬱になりやすいという統計も出ているとか。ここでは、中国に足掛け13年住んでいた日本人編集部員Tが、体験談を交えて日中文化ギャップをご紹介したいと思います。特段マナーにうるさくない人間だと思っていますが、実際に住んでみて当初は理解ができないことも多々あった日中間ギャップ。在住経験があったり中国にお詳しい方は「ああそうだよねえ」と思い出していただき、初めて知る方は「ふーん、そうなんだ~」と覚えておいてもらえると、いつか役に立つかもしれません。ぜひ気軽にお付き合いください。

公共交通機関で老人や子どもに席を譲る?

中国:あたりまえでしょ!

日本:あまりしない(寝たふり?)

日本では、老人に席を譲る人はたまにいますが、子供連れには特に何もしないのがごく普通ではないでしょうか?

中国ではそんなことは許されませんよ。

中国に行ったことのある人は、街なかで

という標語を見かけたことは有りませんか?

これはそのまま「老人を尊び、子どもを愛おしみなさい」という儒学思想家・孟子の教えで、中国の伝統的な美徳とされており、成語となっています。

この感覚が浸透しているので、老人や子どもの存在に気づいた人から、我先にと席を譲る光景に出くわします。中国人いわく、素知らぬふりをするほうが恥なのだそうです。

私は、子どもが生後6ヶ月から4歳8ヶ月まで中国で過ごしていましたが、この精神にとても助けられました。このような中国の新たな一面を知って更に中国好きになるとは、それ以前は思ってもいませんでした。

日本より揺れがちな中国のバスは子連れには厳しい乗り物。けれど直ぐに席を開けてもらえるので、気持ちよく利用できます。

また、日本から中国への飛行機にまだ赤子だった娘と二人で乗車した際も、機内で子どもが寝てしまい狭い席で頭の置き場に困っていたところ、隣の中国人青年が「自分の膝に乗せてよいですよ」と言ってくれました。その他、飲料サービスの際も手助けしてくれました。

別の移動時におむつを切らしていた時は、別のママがおむつをわけてくれたことも有りました。

逆に、日本では子連れに冷たく、電車内で泣こうものなら冷たい視線を送られることが多いです。

この点は完全に日本は中国を見習いたいところだなと思います。

社会全体が子どもの存在に寛容になれれば、きっと少子化も大きく解消されるのではないでしょうか?

街なかで子連れに遭遇したら?店の対応は?

中国:よく声を掛ける、温かい

日本:あまり関心をもたない、厳しい

上記のように、子どもと甘々な環境で過ごせる地・中国を知った私にとって、日本はあまりに子連れに優しくないと感じる出来事が多かったです。子連れはお荷物扱いと感じてしまうときがあります。

時々、見知らぬおばさんがかわいいわね!と声をかけてくれることもありますが。しかし、日本では、見知らぬ人に見られたり触られたりすることを嫌うお母さんが多いという風潮もあると見聞きしています。

また、子どもが1歳前後の時、一時帰国で友人に会うため東京・某所の定食屋に入店したところ「お子さんはちょっと来店をお断りしていまして。その方がお互い良いから」入店拒否に遭遇しました。

例えば大人向けの静かそうな店などは、そもそも気を遣って入店しません。ですが、そこはごく普通の席数もあるザワザワした庶民的な定食屋だったので驚き、その日は電車内で泣き始めた子どもへの突き刺さるような冷たい視線も相まって(途中下車しました)、日本(特に都会)で子育てをするのは、なんて窮屈なんだろう…と感じました。日本の「おもてなし」という言葉が流行りましたが、一体どこにそんなものがあるのだろうと、当時はがっかりしたものです。

中国では、先程書いたように子連れに妙に優しく、外出先では「靴下履かせなさい」とか、一人で子どもを抱っこ紐に入れて買い物をしていると「あんた頑張っているね!」と声をかけられるなど、ちょっとうるさいくらい感心を持ってくれ、居心地が良かった記憶しか有りません

また、私の子どもは2歳5ヶ月から4歳8ヶ月までの2年3ヶ月を中国の現地向け幼稚園で過ごしたのですが、大きな中国人の子供に比べて一番小さかった我が子を先生方がとにかく可愛がってくれ、他のクラスの先生からもおやつをもらったり、中国の給食に慣れない我が子のために、好物の海苔を買ってきて与えてくれたりなど、至れり尽くせりでした。

レストランなどで多少騒いでも子どもはそういうものだと許されるゆるい空気が漂っていて、老いも若きも皆温かい眼差しを向けてくれました

個人的には、子連れなんだから当たり前というような子連れ様的な感覚はなく、様々な場面で非常識な行動は取らずマナーを守って来た方だとは思っています。

それでも、あの温かい感覚に触れて中国全体への印象が大幅に向上することになり、子どもにとっても中国でのびのびと過ごさせてもらった幼少期はとても良い記憶になっています。

高齢者の立ち位置は?

現在日本は高齢化社会となり、高齢者は今や人口全体の28%を占めています。

そんな中、高齢者と言われて思い浮かぶのは、キレる老人や自動車運転ミス、孤独死、認知症問題などどちらかといえばマイナスな話ではないでしょうか。

1979年~2014年と35年もの長きにわたって一人っ子政策を行ってきた中国も例に漏れず、人口全体の14%を占める高齢化が問題になっていますが、老人の立ち位置がどうも違うように感じました。

先程の「尊老愛幼」の考えが根付いていることにも関係していますが、基本的に年配者に対して先人への尊敬の念があるように思います。例えばテレビドラマでも、良心的な年配者は大体先人の知恵があるように描かれていることが多いと感じます。(そうじゃないドラマもありますが笑)

また、日本は核家族が多いですが、中国では働き盛りの父母に代わって祖父母が子どもの世話をしてくれることも多いです。そうなると働いている父母にとっては、子どもと祖父母は同じように身近で大事な家族になります。もちろん、日本のように祖父母と家族が離れて暮らしていることも最近は多いようですが、その際は祖父母が家に閉じこもっているよりその地でエンジョイしています(笑)。

例えば、中国の公園へ行けば、朝から太極拳や広場舞、カラオケに興じる元気な老人に沢山出くわします。全員がそうとは限りませんが、日本人に比べて他人と交流するパワーみなぎる老人がとにかく多いのです。

楽しくハツラツと暮らしている高齢者を見ると、見ている方も楽しくなってきますよね。

日本の高齢者の皆さんにはもっと元気になって良い意味での存在感を発揮してほしいな、そして自分もいつの日かそんな高齢者になれたらいいなと思います。

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