私の中国留学記―第四回 オンライン授業とはどんなもの？

『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。

今回は第四回「オンライン授業とはどんなもの？」。オンラインで中国の大学の授業を受けるのは、一体どんな感じなのでしょうか？お話を伺ってみましょう。

オンライン授業の仕組み　

　私の大学で行われてオンライン授業は基本的に直播课（ライブ授業）と录播课（録画授業）の2つに分かれている。中国国内ではZoomが使えないため、ライブ授業の際はVooV meeting もしくはClassin というアプリを使って授業を行っている。オンライン授業の様子を簡単にご紹介すると、授業開始5分前になると少しずつ同級生たちがログインし始め、一分前になると一気にログインしてくる。時間になると出欠をとり授業が始まる。基本的にカメラは常にオンにしておく必要があり、カメラの故障やネット不良などでカメラをオンに出来ないなど何か問題がある場合は事前に先生に連絡を入れておかなければならない。カメラを切り2回以上呼びかけに答えなかった場合は強制的に授業から退出させられる。授業が終わるまでにそのまま何も反応がなかった場合は欠席扱いになるためログインだけして出席したことにする、というようなことは出来ないようになっている。しかし、ネット不良が起きどうにもならない人に全く救済措置がないわけではない。一度我が家のネット不良で授業にログインすら出来なかった際、急いで先生に微信で連絡を取り授業に参加出来ないことを伝えると、先生側が授業を録画してくださり、その録画した授業をみることで出席扱いにしてくれた。

　録画授業でどのように出欠を確認するかと言うと、特定の時間に授業動画がサイトにアップされその動画を見ると管理サイト側にいつ、どの生徒が、どの動画を、どこまで見たのかが表示される仕組みになっている。期限内に授業動画を最後まで見終わる事によって授業に出席したことになる。期限内に授業動画を最後まで見終わることができなければ、たとえ残っている時間が一分であっても、遅刻扱いなどにはならず欠席扱いになる。

オンライン授業のメリット

　入学から二年、コロナの影響や色々なタイミングで渡航できず、今もなお日本からオンライン授業を続ける私が感じるオンライン授業最大のメリットは、時間や場所に比較的縛られないことだ。例えばオンライン授業なら自分の好きなときに好きな場所で何度でも授業の復習をすることができる。授業は直播课（ライブ授業）と录播课（録画授業）に分かれており、録画授業は自分の予定に合わせて授業動画を見ることができるだけでなく、何度でも好きなタイミングで授業を見返すことができるため、すきま時間に復習することができる。更に、ライブ授業も録画しているため自分の好きなときに見返し、復習することができる。録画したものは早送りすることができるため自分のわからない部分だけをピンポイントで見ることもできる。そのため時間を有効活用することができ、非常に楽である。テスト前になるとまた一から授業を見ることで、総復習を簡単にすることができる。授業を何回も受けることになるので授業の内容が頭に残りやすい。ほかにも自宅で授業を受けるため、身支度のために早起きをする必要もなくギリギリまで寝ることができる、などのメリットがある。

オンライン授業のデメリット

　はじめの一年はオンライン授業に慣れていなかったということと、入学したてでモチベーションが高かったということもあり集中して授業に参加出来ていたのだが、二年目からはやはり慣れというものは怖く、どんどん授業に集中出来なくなっていった。同じ大学の友達が近くにいないし、そもそも自宅で一人で授業を受けているため友達を作ることが難しい。そのため高め合える相手がおらず、どんどんやる気がなくなってしまう。オンライン授業ではモチベーションを維持するのが一番大変である。二年目に入り、つくづく対面授業の良さを痛感している。いくらオンライン授業にメリットが有ってもモチベーションがなければ全てが無意味である。実際二年に上ってから同級生たちがやる気を失っているのが目に見えてわかる。私も同じようにやる気を維持出来なくなって来たため、今は一刻も早く渡航し対面授業に移りたいと思っている。

次回  ビザ申請の話

本コラムは『聴く中国語』2023年4月号に掲載されています。中国大接近「そうだ、西安、行こう！」や小島瑠璃子さんのインタビューなど、見どころ満載です。ぜひチェックしてみてください！

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