北京への弾丸旅行

コラム

『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第十回「北京への弾丸旅行」

コラムニスト 水上華
日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。

留学後初めての夏休み

6月に無事期末テストを終え夏休みに入った私は、二泊三日一人で北京へ行くことにした。前々から時間のある時に北京においでと知り合いに言われていたからだ。テストが終わり、少し時間ができたので知り合いに会いに行くことにした。

上海から6時間鉄道に揺られ北京へと向かった。北京につき高铁(高速鉄道)を降りた瞬間に熱気を感じた。その日の気温は上海が30度、北京が39度で10度近くの差があった。私は北京の方が北方に位置していて涼しいと思っていたので、あまりの暑さに驚いた。火车站(鉄道駅)からは事前に知り合いから送ってもらった住所へ地下鉄で向かった。地铁站(地下鉄駅)に着くと改札の前で迎えが待っていた。

知り合いの家に着きテーブルに並べられたご飯を見て感動してしまった。大学にいる間は基本的に外食か外卖(デリバリー)を頼んでいたため、久々に家庭料理が食べられることに感動してたくさん写真を撮った。出来立て熱々の柔らかい水餃子を食べるのも本当に久しぶりで、一人で何十個も食べてしまった。次の日は知り合いが北京を案内してくれると言うので、この日はご飯を食べてすぐに眠りにつくことにした。

北京ダックを食べるならココ

翌朝、朝ごはんを食べ終え、ペットの犬を近くの動物病院に連れていくのに同行した。まだ10時くらいだったにも関わらず太陽がギラギラと照りつけ、非常に暑かった。あまりにも暑かったため午後から活動することにして、午前はゴロゴロして時間を潰した。午後3時になり、もう涼しくなることもなさそうなので出かけることにした。どこに行きたいか聞かれ、事前に姉におすすめされていた「798(北京にある現代芸術の中心的な地区)」に行くことにした(姉も中国留学していた)。しかしその日、798ではこれといった展覧会などはなく、特に見るものがなく少し残念だった。知り合いによるとコロナ前は非常に人気なスポットとして賑わっていたが、ここ最近はそうでもなく若者で798に行く人は少ないらしい。

少し798を回った後に夕ご飯を食べに行った。北京といえばやはり北京ダック。知り合いのおすすめである、王府井の近くの「全鸭季」という店にお邪魔した。店の雰囲気もとても素敵で、北京ダック以外の料理も非常に美味しい。ミシュランにも表彰されたことのある有名店らしく、旅行客も沢山いた。個人的には今まで食べた北京ダックの中で一番美味しかった。

自転車で天安門へ

夕ご飯を食べた後は、王府井を散策しお土産をたくさん買った。そこから自転車に乗り天安門を見に行った。天安門を見るには1日前に予約しなくてはならないが、私たちは予約していなかったため、自転車で前を通り何枚か写真を撮り引き返した。周りを見回しても自転車で見に行っている人が多かった。私たちはそのまま自転車に乗り、夜の北京を見て回った。やはり北京は上海とは違い、昔ながらの建物があり雰囲気がある。北京では中国にいる実感を味わうことができた。

一通り北京の街並みを見て回った後、屋台で売られている豚の腸を見かけ、挑戦してみることになった。私は臭豆腐螺蛳粉など匂いのきつい食べ物も食べられるので、豚の腸も食べられるだろうと思いトライしてみた。最初は大丈夫だったが、匂いがたまりどんどん箸が重くなり、結局食べ切ることはできなかった。この豚の腸への挑戦で私の北京観光は締めくくられた。  二泊三日しか滞在できなかったのが残念だったが、とても楽しい時間だった。久しぶりに家に帰ったような感覚を味わせて知り合いには感謝でいっぱいだ。次回はもっと涼しい時期に北京に行き、いろいろな場所を見て回りたいと思う。

本コラムは『聴く中国語』2023年10月号に掲載しております。

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