夏休みに“打卡”した上海名所

コラム

『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第十二回「夏休みに“打卡”した上海名所」

コラムニスト 水上華
日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。

元々タイムカードを打つという意味であった“打卡”という言葉が、今では人気スポットに行った際に映える写真や動画を撮ってSNSに載せることをいう。

 6月20日から9月11日まで約3ヶ月の夏休み期間中、留学生の大半は母国に一時帰国をした。私もしばらくの間日本に帰っていた。上海にいる間もインドア派の私は、家でドラマを見たりしてダラダラ過ごしていた。しかし、流石に長期間こもっていたため健康に良くないと思い外に出ることにした。夏の上海は雨ばかりでなかなか気分が上がらなかったため、友達と気分を上げるため上海の“打卡点”を巡りたくさん写真を撮ることにした。

今回は夏休み期間中に回った上海の“打卡点”をご紹介しようと思う。

 徐汇区淮海中路1850号に位置する1924年に建てられた上海フランス租界時代建築の代表的な建物。地下鉄11/18号線交通大学駅から徒歩10分ほどの場所に位置するこの建物は、休日になると写真を撮るためにたくさんの人が集まる。私がここを訪れた際も日曜日で、人で溢れかえっていた。皆向かい側の交差点に立ち写真を撮るのだが、あまりにも人が多いため皆撮影スポットの取り合いをしていた。私たちはもう少し人が空いたら撮ろうということになり、先に他の場所で時間を潰してから行くことにした。カフェで時間を潰し近くのお店を軽くみて周り、戻ってきた時には少し人の波も収まっていた。人の間を縫って撮影スポットを確保し、なんとか写真を撮ることができた。

 静安区陕西南路30号に位置する2002年にオープンしたホテル。こちらの花园(庭園)と古城風の外観が人気を呼び、ホテルの前で写真をとる人が多い。元々こちらのホテルに訪れる予定はなかったのだが、友達と適当に練り歩いていたら何もないところから突然このホテルが現れた。小红书で何度も見たことのある場所だったため、せっかくなので友達と写真を撮っておくことにした。それにしても市の中心の突然現れるお城は非常に魅力的で惹きつけられた。

 静安区延安西路1000号に位置するこの建物は中ソ友好記念会館として1955年に建設された。地下鉄2号線静安寺駅4号口から徒歩10分のこの場所は年中無休で、9:00〜19:00まで無料で入ることができる。こちらの敷地の中の建物は一つ一つが非常に美しく、ヨーロッパの宮殿に迷い込んだかのような感覚になる。私たちが訪れた日は平日であったため、人もほとんどいなく写真が撮り放題であった。敷地も広く散歩にもってこいの場所だ。さらにその日は結婚式を挙げている方もいて非常に素敵だった。私も友達と遠くから幸せをシェアさせてもらった。

 そして上海といえば忘れてはいけないのが外滩である。実は上海についてから何ヶ月も経っていたのに、夜の外滩を訪れたのは夏休みのこの日が初めてだった。外灘はいつも混んでいるためなかなか行く気になれなかったのだが、せっかくなので行ってみることにした。実際に見た外灘は画面で見るよりももっとずっとキラキラしていて、中国の経済の中心である上海という大都会を肌で感じることができた。この日もやはり沢山人だかりで、階段を登ってすぐのところは人が多すぎて夜景を撮っているのか人の海を撮っているのかわからなくなるほどだった。しかし横に歩き進むと人も少なくなり綺麗に写真を撮ることができた。

以上は夏休み中自分が上海で“打卡”した名所だった。皆さんのご参考になればと。

本コラムは『聴く中国語』2023年12月号に掲載しております。

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