私の中国留学記―第八回 ゴールデンウィーク:初めての祝日体験

コラム

『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。今回は第八回ゴールデンウィーク:初めての祝日体験

コラムニスト 水上華
日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。

 

“劳动节”の計画

4月29日から5月3日の5日間、中国では“劳动节(日本でいうゴールデンウィーク)であった。私にとって初の中国で過ごす祝日だったため私は観光に行く気満々であった。しかし、周りの友達たちは「絶対にどこも人で溢れかえるだろうからどこにも出かけない方が良い」と言う。多くのクラスメイトたちも実家に帰るだけで観光には行かないと言う。私は「何をそんな大袈裟な」と思い、話を聞き流していた。 

また別の日、上海外国語大学の松江キャンパスへ遊びに行き、食堂でご飯を食べながら友達と話していた。劳动节5人で遊びに行きたいが、人が多いからどうしようかと話していたのだが、結局ノリで蘇州に遊びに行くことになった。その場で高铁”(中国の新幹線)のチケットを取った。(ちなみに高铁のチケットは微信もしくは中国铁路でとることができる)

 

高鉄で蘇州へ

5月2日に行くことにしたのだが、私たちがチケットが残っているか確認した時にはもう帰りのチケットがほとんどなく、夕方4時に出発のチケットが3枚、夜9時30分出発のチケットが4枚しか残っていなかった。仕方がないので帰りのチケットは3人と2人に分かれて買った。行きは7時10分出発の予定だったため、6時40分に駅に集合することにした。

出発の前日、友達から連絡が来た。彼女によると、前日に蘇州に行った友達が安检(保安検査)に1時間以上かかり、危うく間に合わないところだったらしい。そのため急遽集合時間を変更し5時50分に集合することにした。当日、私と友達は始発がないため、車を呼んで駅まで向かった。少し早めの5時40分に駅についた。周りを見てみると聞いていた話と違うではないか、列など全くできておらず安检も5分で通過できそうな人の量だった。疑問に思いながらも他の友達を待った。順調に残りの2人も到着した。しかし、いくら待ってももう1人が来ない。すると彼女から寝坊したという連絡が入った。私たちもまだ安检を通っていなかったため、先に中に入って待つことにした。見た通り、安检に全く時間をかけずに通ることができた。やはり、ゴールデンウィーク1日目よりも落ち着いたのに加え、上海には火车站が二つあり、前日に混んでいた場所は虹桥火车站で、私たちがその日行ったのは上海火车站というまた別の場所であった。

待合室を探し、そこで朝ごはんを食べながら友達の到着を待った。幸い集合時間を早めに設定していたため、彼女も間に合うことができた。高铁に乗る際、中国人は身分証をI Cカードのようにかざすだけですぐに入ることができる。しかし、外国人は有人改札からパスポートをスキャンし通る

上海駅

 

蘇州観光と帰りの寝台列車

上海から蘇州まで1時間もかからずに着き、そのまま観光地へと直行した。観光地に着くと、文字通り人で溢れかえっており、景色を見に来たのか人を見に来たのか、分からないほどだった。

蘇州を1日周り終え、蘇州駅の近くで夜ご飯を食べ、帰りの電車の時間まで待つことにした。上海から蘇州に行く際はあまり人がおらず、時間に余裕があったため、帰りも20分前くらいに行けばいいだろうと思い、近くのご飯屋さんでご飯を食べていた。30分前になり駅に向かうと、人の海ができていた。これはやばいと思い、走って前に行き、安检を乗り越え中に入ることができた。駅の中を走り、なんとか乗車時間に間に合うことができた。

帰りの高铁は寝台列車の寝台に5人が座る形になっており、乗客がぎゅうぎゅうになって座っていた。見知らぬ人と肩を寄せ合って座るのは初めての経験で、最初は居心地が悪かったのだが、徐々に慣れてしまった。降車する際には、隣に座っていたお姉さんと仲良くなり、中国人の距離感を感じることができて、とても面白い経験だった

次回:初体験ドラゴンボートレース

蘇州

 

本コラムは『聴く中国語』2023年8月号に掲載しております。

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