私の中国留学記―第二回 失敗は成功のもと

コラム

『聴く中国語』2023年1月号より、現在上海外国語大学で学ぶ水上華さんのコラム「私の中国留学記」を連載しています。

今回は第二回「失敗は成功のもと」。中国の大学に出願、入試の面接を受けるなかで、水上さんはどのような経験をされたのでしょうか。

コラムニスト 水上華
日本と中国のハーフ。日本で生まれ育ち高校三年生の時に中国への留学を決め中国の大学に入学するも、新型コロナウイルスの影響で一年生の間は中国への渡航が叶わず日本でオンライン授業を受けた。

 

出願時の失敗

 出願の際、私は様々な失敗をした。どんな失敗をしたかと聞かれて最初に思いつく失敗は、必要書類を見落としてしまったことだ。私は全部で5校の大学に出願するつもりでいた。各大学の出願要項などを調べて出願の準備にあたっていたのだが、2校も必要書類が漏れてしまったのだ。全てオンラインでの出願だった。

 1校は同じ大学に出願した人たちがTwitterで合否をツイートしているのに自分の出願状況の表示は処理中のまま変わらないため、おかしいと思い大学側にメールを送った。大学側からは書類が足りておらず出願できていないという内容の返信が来た。結局、出願期限は過ぎていたため諦めるしかなかった。

 もう1校は、書類が足りていないことに自分で気づき大学側にメールを送ったところ、メールで資料を送って貰えれば大学側が処理するという内容の返信が来た。急いでメールで追加資料を送り、結果を待った。だがこちらも表示が処理中のまま変わらず再度連絡したところ、またも資料が足りないと言われてしまった。メールで送った趣旨を伝えるも送られていない、出願期限は過ぎているため受け付けることはできないと言われてしまい、どうすることもできずまた諦めることになった。こんな訳のわからないミスでチャンスをふいにしているのは自分以外にいるとは到底思えず、心底恥ずかしかったし悔しかった。

 

入試面接での失敗

 私の失敗はそれだけでは終わらず、テスト本番でも失敗をしてしまった。初めての面接の日、家族以外と中国語を話すのが初めてなのと、初の入試面接ということで、緊張のあまり準備していた内容がすべて飛んでしまった。頭が真っ白になり焦った私は、なんとか挽回しようとしたが、焦れば焦るほど泥沼にハマってしまい、自分でも何が言いたかったのかわからない程しどろもどろになってしまった。面接が終わった瞬間「あの質問、本当はこう答えるつもりだったのに」、「あの答えはどんどん話が脱線してしまって何が言いたかったのか分からなくなっていた」などと自分の失敗が頭に浮かんできた。結局この失敗は、今でも急に思い出しては恥ずかしくなるくらいの軽いトラウマになった。

 

何事もポジティブに

 これらの失敗が全て悪かったかというとそうでもなく、ここから学ぶことは多かった。学校関連のことは何事もダブルチェックを欠かさなくなった。例えば学費を払う際、「学費を支払った」旨のメールを送った数日後には、「何日に学費を払ったが払えているか」の確認メールを送るようになった。これを当たり前だと思う方が大半だと思うが、こんな当たり前のことすらできていなかった私には良い学びの機会だった。面接での失敗も「こう答えればよかった」と後悔したことと似た内容を別の大学の面接の際に質問され、その際はきちんと答えられ、むしろ良い失敗だったと思っている。今も「あの時こう言えば良かった」、「あの答え間違えていたな」と、ほとんど毎日のように後悔する。以前はその度に気分が下がっていたが、今は次に同じ質問をされた際の良い予習になったと考えるようになった。きっとこれからの大学生活でも沢山の失敗をすると思う。しかし、全ての失敗から、なにかしら学べるはずだと前向きに捉えるようになった。

次回:大学の選び方

 

本コラムは『聴く中国語』2023年2月号に掲載されています。ぜひチェックしてみてください!

 

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