中国医学あれこれ:鍼灸・カッピングから滋養強壮・薬膳まで

中国大接近

鍼灸の発展

言い伝えによれば、遠い石器時代の昔から、人々は痛みを感じたとき、痛みをやわらげるため、無意識に指や尖った石で痛みのある箇所を抑えつけていたという。鍼の元祖「砭石(ベンセキ)」もこうして誕生した。

新石器時代から使われている治療用の「針」

中国医学では、急性疾患の治療には「」を、慢性疾患の治療には「」を用いることが多い。は鍼を刺すことで、は火のついたもぐさの熱で人体のツボを刺激し、経脈の流れをよくし、病気を治したり痛みを取り除いたりという目的を果たす。

お灸はもぐさを小さな団子状あるいは細長い形に丸め、火を点けてツボをいぶし、経絡の一部のツボを温めることで、循環を促し、気と血のめぐりを良くする治療法。

鍼を刺して痛みを抑制したり、患部に麻酔を施したりする臨床試験でも、鍼灸の有効性が実証されている。

カッピング

カッピングも中国医学でよく見かける治療法だ。カップの中の空気を燃やしたり抜いたりして気圧を下げることでカップを皮膚に吸い付かせ、体の特定部位を刺激する。カップを外した後は、痛みがやわらぎ、筋肉が楽になったように感じる人が多い。

中国医学では、「痛みがあるということは気や血のめぐりが悪く、気や血のめぐりが良くなれば痛みは消える」と考えられている。ヒトの筋肉・靭帯・骨格は、いちど損傷し、うっ血が生じれば、気や血がうまくめぐらなくなってしまう。


カッピングや鍼灸といった治療法は基本的にどれも、うっ血を取り除いて経絡のめぐりを良くし、様々な不具合を解決することを目的としている。ただ、実際におこなうときは自身の体質を考慮する必要がある。虚弱体質の人はカッピングにあまり向いていない。

著名水泳選手のマイケル・フェルプスは、背中じゅうにカッピングの痕をつけたままカメラの前に登場したこともあった

滋養強壮

中国人は栄養価の高いものを食べて体に滋養分を補う「滋養強壮」、つまり、食べるものをコントロールすることで免疫力強化を図ることにも関心が高い。「医食同源」「食事は薬に勝る」という考え方は中国の人々に根づいており、「薬膳」も古くから存在している。

唐代の医者・孫思邈は著書『備急千金要方』で「医者は、まず疾患の源を見抜き、その影響の範囲と状態を把握し、食事による治療を試み、それで治らかった場合に薬を服用するよう命じなければならない」と述べている。つまり、食餌療法のほうが優れた治療法だと考えられており、食餌療法で治らない場合にのみ薬の服用を勧めるということなのである。

唐代の医者・孫思邈

『黄帝内経太素』の「空腹のときに食べれば食べ物だが、患者が食べれば薬である」という記述は、食べ物と薬に明確な境界のない「医食同源」の思想を反映している。

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