副業?「寝そべり」?起業?中国就職市場の新動向

中国大接近

個人メディアの成長とライブコマースの激増

中国ではここ2、3年でかなりの数の「デジタルノマド」が誕生した。中でもことのほか注目を集めたのが、様々な個人向け情報発信ツール(SNS)で活躍するブロガーや動画クリエイターだった。現在、中国にはTikTok、Bilibili、快手、小紅書(RED)、微博(Weibo)の5大SNSプラットフォームがあるが、これらのユーザー数は合わせて10億人を超えている。これに比例するように、有名無名のブロガーや動画クリエイターの人数も億単位に達しており、今や誰でも情報発信者になれるし、また、なりつつある。

ライブショッピングを専門とするライブコマーサーもここ数年で激増しており、この仕事に従事する人は1千万人を超えている。彼らは「淘宝(タオバオ)」や「拼多多(Pinduoduo)」といったECモールのチャンネルでもっぱら商品のプロモーションをおこなう。

ライブコマーサーの中でも「トップライバー」の李佳琦や辛巴クラスになると収入も桁違いで、「11・11 独身の日」などのセール期間中は、彼らの個人チャンネルだけで1億元以上の売上を出せる。モノを売る力は、中国のインフルエンサーにとって必須の技能だと言える。

配車サービスドライバー

中国では、従来型のタクシーより配車サービスのほうが、価格が安く支払いも簡単なため好まれていることから、配車サービスドライバーも人気の仕事になった。2022年初頭から2023年中盤にかけての20ヶ月で、大手配車サービスの登録ドライバー数は、400万人から600万人に増加した。その中には、副業でドライバーをして生活費の足しにする人もいれば、思い切って専業ドライバーになった人もいる。しかし、配車サービスドライバーの数が日に日に飽和していくのに伴い、今では月収1万元を達成しているドライバーは1割もいない。

大都市を脱出しI・Uターン、アーリーリタイア、屋台経営

大都市での弱肉強食の戦い、「996(午前9時から午後9時まで週6で勤務)」の激務に疲れ、「躺平(タンピン。受け身な生き方のこと)」を選ぶ人々がいる。彼らはそこそこの貯蓄と共に「アーリーリタイア」し、預金の利息や負担の少ない気楽な副業に頼って生計を維持ししながら、衣食住には困らないものの、思い切った出費はためらう生活を送る。

その一方、失業して実家に帰り、専業主婦ならぬ「専業子供」になるケースもある。彼らは本質的にはすねかじりなのだが、そこまでネガティブではない。過当競争から降りた若者は、実はそこまで向上心を失ってはおらず、カフェやパン屋などを開いたり、一昔前なら底辺だと考えられていた露天商になり、洗練された格好でイカ焼きや焼きそばを売るなどして、勤勉さと知恵と体力で、富を築いていく。

詳しい内容はこちらから!

『聴く中国語』2024年4月号では「副業?「寝そべり」?起業?中国就職市場の新動向」を大特集。

ドラマの紹介などそのほか詳しい内容はこちからチェックしてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました